情報化施工
国土交通省では一般化された情報化施工技術の一つであるTS出来形管理。
平成29年度には全都道府県に導入する「情報化施工5ヵ年計画」も発表されています。
現場での活用は手間が増える!と思われている方も多いと思いますが、情報化施工(TS出来形)は施工管理の効率化にも大きく貢献する技術です。
情報化施工とは?
建設工事のプロセスのうち「施工」に着目し、情報化通信技術いわゆるICTの活用により得られた電子データを活用して高効率・高精度な施工を実現するものです。
施工で得られた電子データを施工後の維持管理で活用することにより、建設生産プロセス全体における生産性の向上や品質の確保を図ることを目的としています。
TS出来形とは?
施工管理の情報活用として、現在一般的に利用されている巻尺・レベルに代わって、使用する計測器に「施工管理データを搭載したトータルステーション(TS)」を採用した施工管理方法です。 TSの利用により出来形計測は、3次元の座標値として計測することができるようになり、施工管理・監督検査に計測した施工管理データを用いることが可能となりました。
従来の出来形とTS出来形の違いは?
現場においては、データコレクタの画面上で計測対象物の出来形形状と設計形状との違いを把握することが容易となり、さらに出来形帳票や出来形図がパソコンにより自動作成できます。
また、このTS出来形は、出来形管理のみでなく起工測量や丁張り設置にも利用することが可能で、施工管理業務全般の効率化と丁張り計算等の省力化・ミス防止等が期待できます。そして、発注者は、完成検査の省力化と出来形管理で計測した3次元座標値を維持管理で活用することができます。
情報化施工への対応に欠かせない3つのポイント
❶ 基本設計データの作成を効率的に!
情報化施工ではTS出来形管理をはじめ、基本設計データの作成が必要不可欠です。
基本設計データの作成には、通常行う路線計算や縦断計算、横断設計などの各種計算がベースとなります。
つまり、情報化施工(TS出来形)のためだけではなく、通常の施工管理の効率化にも繋がるためのソフト選定が必要となります。
❷ 基本設計データ作成から提出までをトータル管理
基本設計データの作成から現場での実測値計測、出来形管理図などの帳票作成から電子納品対応まで、情報化施工では様々な作業が必要です。
情報化施工に対応するためには、同じメーカーのソフトで統一することも重要です。
様々な作業が発生する情報化施工だからこそ、同一メーカーのソフトでスムーズな対応をしていくことが求められます。
❸ 3次元ビューで設計データを確認
ミスを防止するために、作成した設計データをリアルタイムに3Dで確認することが重要です。施工段階でのシミュレーションを行うことで、設計データの入力ミスなども防ぐ事ができるので安心して設計データの作成が行えます。
マシンガイダンス(MG) / マシンコントロール(MC)とは?
マシンガイダンス(MG)とは
TS、GNSSの計測技術を用いて、施工機械の位置や施工情報から設計値(三次元設計データ)との差分を算出してオペレータに提供し、施工機械の操作をサポートする技術です。
マシンコントロール(MC)とは
マシンガイダンスの技術に加えて、設計値(3次元設計データ)に従って機械をリアルタイムに自動制御し施工を行う技術です。
必要なデータは?
マシンコントロール/マシンガイダンスにはTS出来形でも必要な3次元設計データやTIN(LandXMLもしくはDXF,DWG)データ※が必要です。
デキスパートで作成した3次元設計データはTS出来形だけでなく、マシンコントロール/マシンガイダンス両方のデータとして使用できます。
TINとは?
X,Y,Zの3次元情報を持った点と線が、重複のない三角形の集まりとして配列されたデータです。
TINデータには、LandXMLとDXF、DWGなどいくつかの種類があります。