デジタルデータを活用した
鉄筋出来形計測による省力化
建設業が抱える2024年問題の対策として現場の省力化・省人化が注目を集める中、国土交通省は令和5年7月に『デジタルデータを活用した鉄筋出来形計測の実施要領(案)』(以下、本要領(案))を施行しました。
これにより、従来、発注者立会いのもと行われていた段階確認に代わり、デジタルカメラや動画撮影したデータから、鉄筋径や鉄筋間隔等の各種数値計測を行うことが可能となり、併せて計測状況や結果を遠隔地の発注者へリアルタイムに提供することも可能となります。
デジタルデータを活用した
鉄筋出来形計測とは
本実施要領(案)には、高度な画像解析技術により、配筋検査における鉄筋間隔・鉄筋径等の確認が写真撮影だけで計測できるシステム機器の活用ルールが記載されています。
従来の準備作業であるリボンテープや鉄筋へのマーカー設置は不要となり、生産性の向上に大きく寄与することを目的として制定されました
- 対象物を撮影するだけで自動計測
- 計測作業の省人化・省力化
- リアルタイムで合否判定可能
- Before
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現地で直接計測
現地で実測した結果を、発注者監督員が確認
- After
-
映像解析と遠隔臨場
映像解析等による計測を、遠隔で確認する
国土交通省では、官民研究開発投資拡大プログラム(PRISM)の枠組みを活用して、平成30年度から令和4年度までの間、建設現場の生産性向上に向けi-Constructionを強力に推進しています。
令和2年より鹿島建設、三菱電機エンジニアリング、建設システムでコンソーシアムを組み、PRISMの枠組みを活用して配筋検査の効率化を実現すべく実施要領(案)の制定に向け現場検証、試行が重ねられました。
デジタルデータを活用した
鉄筋出来形計測による省力化
検査時間を短縮し、工数も削減
検査帳票作成から報告書作成までの手作業による転記作業を省略。従来の配筋検査と比較して、検査時間を約60%も短縮※。
※建設構造物の規模等により導入効果は異なります。
デジタルデータを活用した
鉄筋出来形計測のポイント
本実施要領(案)では、適用範囲や画像計測に使用する機器について、出来形計測と管理方法の実施手順などが記されています。
業務範囲
コンクリート構造物の鉄筋組み立て時の段階確認において、所定の性能を有するデジタルカメラ等で撮影した画像を用いた鉄筋出来形計測に適用し、受発注者の作業効率化等を図るため施工計画、準備工、出来形計測、出来形帳票作成に関して定められた活用ルールが記載されています。
- 施工計画書への記載
- カメラキャリブレーション及び精度確認試験の実施
- 出来形計測の実施
- 出来形管理に係わる「出来形管理図表」の作成・提出
- 出来形管理写真の提出
※本要領の対象業務範囲は実線部分
計測対象
計測対象は鉄筋間隔・鉄筋径の計測
- 鉄筋間隔
- 鉄筋間隔の計測は10本程度距離や角度等の制限がある場合は少なくとも5本程度撮影
- 鉄筋径
- 計測データと従来手法で実測したデータの比較を行い、鉄筋径の判定結果が正であることを確認
画像計測に使用する機器
計測機器構成
- 機器本体
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- 単眼または複眼(2眼、3眼)カメラ。また、鉄筋までの距離や撮影場所を確認するために、光を照射して対象物まで距離を計測するTOFカメラやマーカー等を併用する場合がある。
- パソコン、タブレットPC、クラウドサーバ等
- カメラは手持ち撮影が基本で、撮影範囲に応じてUAV等を使用する場合もあり。
- ソフトウェア
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- 撮影された複数の写真等から鉄筋位置等を認識して計測する3次元(または2次元)画像計測ソフト
- 設計値の取り込みから検査帳票の作成までを行う出来形帳票作成ソフト
計測性能及び精度検証
使用配筋画像を撮影するデジタルカメラは、従来のスケール等での計測と同等以上の精度を有するものを使用する。
また、機器の仕様を施工計画書に記載し、事前に機器性能表を監督職員に提出して承諾を得る。
使用機器の精度検証については、本要領(案)に記載されている「画像計測結果の精度検証手順(案)」を参考とすることができる。
国土交通省 デジタルデータを活用した
鉄筋出来形計測の実施要領(案)に対応した計測機器をお探しなら!!
- NETIS登録番号:KT-230164-A
- 技術名称・AI配筋検査端末
- 事後評価:事後評価未実施技術(2024/2/26現在)
検査時間を約60%削減 計測用メジャー・マーカー設置が不要
正面
背面
高精度な検査を実現する 独自のAI配筋技術
独自のAI配筋技術で、鉄筋の検出率100%、鉄筋径の判別可能範囲D10~D15、鉄筋間隔の計測精度±5mmの高い精度で配筋検査を実現します。
1ランク違いの鉄筋径を区別し、高精度で判別します。
※撮影画像から鉄筋を検出する各利率(過検出あり)
1ランク違いも判別可能
計測から検査帳票まで 配筋検査時間の短縮
一回の撮影で鉄筋径、鉄筋間隔、本数を計測。
更に計測時間の短縮だけでなく検査帳票作成時間においても、システム連携で従来の1/4の時間に削減できます。
配筋検査業務を60%短縮
遠隔からの確認を実現 「遠隔臨場 SiteLive」連携
現場と会社や事務所をつなぎ遠隔で配筋検査を実施可能。
監督職員の現場臨場を省略し、生産性の向上に貢献します。