導入事例
急がれるインフラ整備は水道専用機能を活かし「提案型」の施工で対応
株式会社飯島工業
- 所在地
- 茨城県鹿嶋市
- ウェブサイト
- https://www.iijimakogyo.co.jp/
導入背景
- 水道工事の経験者はいるが、社内IT化が進んでいない
- 手に入る要領図などが同じで差別化ができていない
- 図面の修正は行うが分かりやすく説明できる資料にしたい
- 一人一台体制でパソコンを導入、自らが調べて作業できる環境になった
- 専用機能の部品や施工方法を使うことで加点にもつながった
- 水道記号を入れることで、視覚的に分かりやすい図面になった
急がれるインフラ整備、水道工事への対応が不可欠
当社は、もともと現場の職人色が強く、ITを活用しての施工管理は殆ど進んでいませんでした。しかし将来を見据えたうえで、会社の規模や技術力の拡大を目指していくことになりました。
また、会社が力をつけていくためにも、施工管理において自社が元請けで仕事を取っていかないといけない。そのような背景から「デキスパート」を採用し、施工管理のレベルの底上げを図ることにしました。他社メーカーもありましたが、私自身が前の会社で使い慣れていたこともあり、他の選択肢はありませんでした。
当社が工事を請け負う地域、特に鹿嶋市においては水道関係のインフラがかなり古く、整備ができていません。そのような背景もあり、インフラ整備を急ピッチで進めるため約5か年計画で管の付け替え工事がたくさん発注されています。しかし、同市では昔から建設業者はあるのですが、水道工事を請け負う業者があまりありません。当社には、水道工事の経験者もいますし、インフラ整備の今後の見通しも踏まえて力を入れようという方針になりました。そのタイミングでKENTEMの担当営業さんに確認したところ、水道に特化したオプションソフトがあるということでしたので、導入を決めました。現在、施工計画書の作成や図面作成において「水道・機械設備オプション」を使用しています。
現場と整合性の取れた施工方法で加点に
これまで水道分野に関しては、別で数値を打ち込むなどをして作成する部分が多かったのですが、「デキスパート」にはある程度の部品などが搭載されているので一連の流れで完結できることが増えました。特に水道管に関しては、種類が非常に多いです。以前は大手メーカーが公開しているものを無料でダウンロードして使用していたのですが、今はソフトの中に殆ど入っているので貼付けや編集作業も効率化が出来ています。
最近では、ポリエチレン管の施工方法を提出した際、他社が提出している図書と比較され高評価を得ることができ、加点された例もありました。
早急に必要とされる「提案型」の図面修正
図面に関してはコンサル会社が作成していますが、もともとの配管ルートが残っている場合はそのまま図面を利用できます。しかし、残っていないことが非常に多いため、そのままの図面を使用することが困難になります。その場合はルートの修正をこちらで行い、配管に関しての曲げなども再検討し、図面を修正します。発注者へ説明するときは、ソフトに搭載されている『水道記号』などを使って説明するとより説得力が増します。また、予想外の既設の埋設物が出てくることもありますので、図面に追加して説明しています。結果的に再設計したものに対して、施工計画を作成していくという流れになります。先日まで施工していた現場では、古い石綿管を撤去しポリエチレン管を新設するといった場合も、既存の埋設管の位置が図面とまったく違っていたので試掘をし、図面を修正しました。鹿嶋市の場合、こうした図面との違いが掘り始めて発覚することは全体の7~8割くらいあると感じています。
管の出来形写真は細やかな管理が必要
以前は黒板に細かく情報を書き込んでいましたが、あらかじめ「電子小黒板エディター」で電子黒板のひな形を作成し、フォルダー分けを行っておけば、黒板を選択するだけで撮影が完了します。またスマホやタブレット内で図面も確認できます。その部分に関してはかなり時間を削減できています。水道工事では、配管に関して継手チェックシートの提出が必要になり、その部分は手書きで行い、エクセルで入力しています。出来形管理も、土工や舗装工などは「デキスパート」で行っていますが、管の出来形管理図表は分けて作成しています。水道工事に特化したことですが、作業効率があがる連動性を今後に期待しています。
いかにして若手に継承していくかが課題
現状、これらのシステムを使いこなしているのは2人です。若い方たちには、電子小黒板を使わずにまずは手書きで覚えてもらうことから始めています。システムやアプリを利用することで時間短縮やミス防止にはつながりますが、あえて見て書いて覚えるということから取り組むようにしています。元請けの場合は問題ないのですが、下請けになった場合、通常の黒板を求められることもあります。そのような場合にも対応できるようにしておくためです。ただし、新しい技術も身につけていかないといけません。大切なことは、若い世代も積極的に使っていくことだと思います。