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導入事例

3D構造物モデルの活用、プレゼン資料のハイクオリティ化に成功

美山建設株式会社

所在地
岐阜県山県市
ウェブサイト
http://www.k-miyama.com/

サービス活用背景

課題
  1. 3Dモデルの作成、管理に時間を要している
  2. 3Dデータを作成しても、すぐに理解してもらえる資料作りが難しい
  3. 現場の進捗イメージが伝わりにくく、認識にズレが生じる
効果
  1. システム導入により時間が大幅に短縮、構造物設置や断面管理にも運用できる
  2. 統合モデルを活用することで、可視化ができ納得してもらえる資料を作成
  3. 時間軸を設定することで、工程イメージでのプレゼン資料が完成

これまで苦労してきたことが解決できる「SiTE-STRUCTURE」

「SiTECH 3D」で苦労して作成していた堰堤やその水抜き部分を「SiTE-STRUCTURE」で、あっという間に作成している動画を見て衝撃を受けました。すぐにKENTEMの営業担当者に話を伺い、作成の時間短縮につながると確信できたので、「SiTE-NEXUS/SiTE-STRUCTURE」を導入しました。導入して4か月経ちますが、質の高いプレゼン資料が作成できるツールとして活用しています。

納得いくプレゼン資料が施工スピードのカギになる(松井さん)

導入の決め手になったのは、このソフトで作ってみたいという気持ちです。BIM/CIM対応のために探していたわけではなく、導入したツールが結果的にBIM/CIM対応ソフトだったということになります。決して初めからそれを求めていたわけではありません。しかし今から使用していれば、今後、実際のBIM/CIM対象工事を受注したときに強みになります。また、私達は、ソフト操作の習得に関してマニュアルは殆ど読むことはありません。作業しながら分からないところをコンタクトセンターに聞いているので、実際には使っていない機能がまだまだあると感じています。

現場事例紹介①:線形モデルと構造物モデルの融合で現場に活かす

こちらの現場は、宅地造成と道路拡幅の工事です。水路は「SiTECH 3D」で作成し、集水桝やL型擁壁は「SiTE-STRUCTURE」で作成、「快測ナビAdv」に取り込んで、自動追尾のTSを使用し管理しています。今回、初めて「SiTE-STRUCTURE」で作成したデータを使用し、「快測ナビAdv」で位置出しや高さの管理をしました。「快測ナビAdv」で「エッジ選択」を行い、「どこでもスライス」機能で、水路流入部の確認作業を行っています。エッジ選択を行えば、桝の開口部の断面形状がリアルタイムで表示され、画面上で出したい位置(折れ点)をタップし、位置と高さの管理・確認が行えます。

断面表示で折れ点管理ができる「どこでもスライス」機能
エッジ選択で取合い部の高さを管理(久保さん)

同現場では、L型擁壁も施工しています。こちらも「SiTE-STRUCTURE」で作成したデータで断面管理を行います。L型擁壁においても「どこでもスライス」機能を使用しました。今回は、鉄筋が入ったままになっていてデータが重いため、レイヤ表示の調整など、表示方法を整理して行うことが次回からの課題になります。今回は、これまで作成してきた「SiTECH 3D」とは別で、線形に依存しないデータ作成ができ、その位置や高さも出せることが確認できました。
今後は、「SiTECH 3D」は線形モデル、「SiTE-STRUCTURE」は構造物モデルとして、使い分けて活用していきたいと思います。エッジ選択機能なども、まだまだ改良の余地はあると思いますので、今後の更なるバージョンアップに期待しています。

L型擁壁の3Dモデル表示と断面管理
出したい短点を画面上でタップできる

現場事例紹介②:「SiTE-NEXUS」を使用した統合モデルについて

「SiTE-NEXUS/SiTE-STRUCTURE」を導入することで、線形に捕らわれない3Dモデルの作成ができるようになりました。これまで、水路などの折れ点に関しては、それぞれの線形を作成し、互いにぶつけるという作り方をしていました。また、堰堤のような構造物はいくつもの線形を作成し、形にしていました。
今回、初めて堰堤の構造物モデルを「SiTE-STRUCTURE」で作成しました。ここでは、すでに完成している本堰堤と、これから施工する副堰堤で、それぞれ工事を分けて作成しています。その他の、水叩工や側壁工も同様です。それらのデータを「SiTE-NEXUS」に取り込み、「シミュレーション機能」を使って、工程と連携させることができました。これにより、打設割で分割した躯体に、4D(時間軸)を割り当て、履行報告で説明できるように作成しました。シミュレーションで時間軸を割り当てることにより、施工途中の進捗状況なども説明でき、発注者の反応も非常に高評価でした。完成していく過程が、より分かりやすく説明できるプレゼン資料ができたと思います。

時間軸を設定することで、堰堤施工のシミュレーションを再現

現場事例紹介③:解体工事にも使えるシミュレーション機能

物が出来ていく過程の時間軸は作成できるようになったのですが、解体のように物がなくなっていく場合、どうしたらいいのか?KENTEMさんに問い合わせてみると、逆に組んでいく方法を教えてもらえました。これにより、校舎の解体が完了した後の杭基礎撤去も時間軸を設定することができました。実際には杭基礎を撤去している時に、内側と外側からレーザースキャナーを使用し点群を作成、統合させています。また、内部は殆ど撤去されていたので、敷地などのモデルを載せて仕上げています。その他、施工物以外についても現場に合わせ「3Dイラスト」から樹木や重機なども取り込みました。パソコンへの負荷も大きいので表示/非表示をうまく使い分けるなど、見せ方の工夫が必要でしたが、よりリアルに表現できたと思います。完成した逆シミュレーションの資料は、高校の校舎の解体工事でしたので、土木系の学生さんに向けて講習会用の資料として使いました。3Dで見せることで、現場を知らない学生さんにも、分かりやすく工事の流れを伝えることが出来ました。

校舎・敷地の撤去が終わり、鋼管杭の3Dモデルが表現される
解体前を3Dモデル化、敷地や樹木まで再現している

現場事例紹介④:何もないゼロベースから計画を作成

工場に取水施設を建設してほしいとの依頼があった現場です。こちらの場合、何もベースになるもの(図面や座標)がない現場でしたので、最初にレーザースキャナーにて現況測量を行いました。そのデータから設置にあたり必要な座標を取得、平面図に落とし込み、「SiTE-STRUCTURE」を使用、構造物を作成しました。床掘の影響範囲も施主様との確認が必要でしたので、その部分に関しては、「SiTECH 3D」で作成しました。
全体としては、「SiTE-Scope」「SiTE-STRUCTURE」「SiTECH 3D」でそれぞれのデータを作成し、「SiTE-NEXUS」で統合させた形になります。
このような民間工事の場合、お客様に土木の専門知識は当然ありません。しかし、画面をクルクル回して、掘削の影響範囲など目で見て理解してもらえるので、現場状況をご理解いただく上で非常に高い効果が得られたと思います。

床掘を可視化することで影響範囲が説明できる。
ゼロベースからの計画作成。

これまで、発注者様とのやり取りも2Dのものしかありませんでしたし、そこから現場のイメージを持ってもらうことが、いつも課題となっていました。イメージが伝わりにくいと、お互いの認識のズレが生じることもありました。しかし、3D/4Dで作成したモデルを使い、画面を通して説明することによって、そのズレが無くなってきました。同じイメージを共有しながら施工を進められるのは非常に大きいと思います。自社で作成するという壁は低くはありません。専門業者に依頼するより、まずは自分がイメージを持つことで高いクオリティを目指せますし、好きになればどんどん良いものが作成できると思います。

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