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建設業の防災(復興)マニュアルと事業継続計画(BCP)の関係とは?作成時のポイントや復興マニュアルとの関係を解説

建設業の防災(復興)マニュアルと事業継続計画(BCP)の関係とは?作成時のポイントや復興マニュアルとの関係を解説

2024/05/14

防災

日本は災害大国であり、いつどこで災害に出くわすかわかりません。
自然災害や重要業務停止に対するリスクおよび社会的責任の認識の高まりなどをふまえ、建設業は事業活動を継続して、国・地域のインフラ施設や地域の人々の暮らしの復旧に尽力していかなければなりません。

今回は防災意識を高めるために、企業が災害時に事業活動を継続できるよう定める事業継続計画(BCP)や、復興マニュアルを作成するためのポイント、企業が取り組むべき安全な地域づくりに必要な施策を解説します。

記事の後半では、事業継続計画(BCP)を効率的に実施・運用できるツールも紹介しますので、ぜひ参考にしてください。

災害時の建設業に
期待されている事業継続

建設業は大規模災害の発生の中でも、公共インフラ・民間企業等の復旧工事を通じて、政治経済・社会活動の早期回復に大きな役割を担い続ける必要があります。
ここでは、建設業が事業を継続するために作成すべき事業継続計画(BCP)についてまとめました。

それぞれ詳しく見ていきましょう。

事業継続のために準備しておくべきもの

災害時でも事業の継続が大きく期待されている建設業ですが、事業継続に効果的なのが、事業継続計画(BCP)の策定および運用です。

事業継続計画(BCP)は、中小企業庁では、下記のとおり定義されています。

事業継続計画(BCP)とは、企業が自然災害、大火災、テロ攻撃などの緊急事態に遭遇した場合において、事業資産の損害を最小限にとどめつつ、中核となる事業の継続あるいは早期復旧を可能とするために、平常時に行うべき活動や緊急時における事業継続のための方法、手段などを取り決めておく計画のことです。

出典:BCP(事業継続計画)とは

社会の復興にかかわる建設業では、特に取り決めておくことが望ましい計画とも言えます。

事業継続計画(BCP)で押さえるべき5つのポイント

事業継続計画(BCP)で押さえるべきポイントは以下の5つです。

  • 事業継続の方針、平常時の策定体制などの総論
  • 災害等の発生時の対応計画(部門別の対応手順のマニュアル、非常時の組織体制、指揮命令系統等の体制、手順等のマニュアル等を含む)
  • 事前対策の実施計画
  • 平常時の点検・維持管理、訓練、継続的な改善に関する計画を、明確に区分して相互の関係に留意して定める
  • 将来の見直しに備えた、被害想定、事業影響度分析、リスク分析等の結果

まず事業継続に関する考え方や策定体制を把握したら、災害時の具体的な計画の詳細を記述しましょう。
計画が決まれば実施するスケジュールを立てます。
事業継続計画(BCP)の内容には、災害発生時の取り組みだけでなく、平常時にできる災害に向けた活動計画も決めておく必要があります。
さらに災害時の計画を立てるときは、想定した災害の被害想定やリスク分析なども徹底しましょう。

事業継続計画(BCP)は災害時の対応だけではなく、災害前の準備や定期的な見直しをすることによって、より効果的な災害時の対応が可能になります。

復旧・復興に関する
防災マニュアルに載せたい施策4選

建設業は、国や地方公共団体と共に社会の復旧・復興に貢献していくことが必要となります。

地方公共団体が復旧・復興に関する防災マニュアルを策定する際は、以下の4つポイントを押さえて安全な地域づくりを進めています。

安全な地域づくりに必要な施策を理解することで、地方公共団体との連携をスムーズにできます。

施策1|公共土木施設等の災害復旧

公共土木施設では災害発生時に、他の施設よりも素早く復旧を行うことで、地域に貢献できます。

災害時には公共施設や公共土木施設は住民の避難や物資輸送などで利用されることもあるため、他の施設と比較しても災害対策を徹底しておく・復旧を早急に行う必要があるでしょう。

公共土木施設が取り組むべき災害復旧の作業項目は、以下のとおりです。

  • 災害復旧
  • 土砂災害対策
  • 洪水対策
  • 津波・高潮対策
  • 防災活動体制の強化
出典:復興対策マニュアル_内閣府

緊急で対処すべき作業や、被災後一定の時間が経過してから対応が必要な作業などがありますが、すべての作業において、建設業が密接に関わっています。
建設業の本領が発揮できる分野でもあり、社会の期待に応える大きなチャンスといえるでしょう。

施策2|安全な市街地・公共施設整備

再度被災する可能性が高い地域や被災場所での再建が不可能な場合、新たに公共施設を整備したり市街地を再建したりすることで、復旧・復興を目指します。

安全な市街地・公共施設整備の作業項目は、以下のとおりです。

  • 復興防災まちづくり方針の作成
  • 基盤未整備地域の整備
  • 災害危険区域等の設定
  • 宅地・公共施設の移転・嵩上げ
出典:復興対策マニュアル_内閣府

市街地や公共施設の整備業務も、建設業が密接に関わっています。
被災後の安全な市街地の整備は、数年から10年にも及ぶ事業となりますが、整備計画などの枠組みの検討は被災後すぐに進められます。
被災後の混乱の中でも、長い目で見た判断のうえ、地域に貢献していくことが必要です。

施策3|都市基盤施設の復興

住民の生活、都市の産業や経済活動を支えている都市基盤施設の復興は、被害や機能停止に対して、早急かつ十分な強度を実現して対応していくことが必要です。

都市基盤施設の復興の作業項目は、以下のとおりです。

  • 道路・交通基盤の復興
  • 物流基地・港湾・空港の復興
  • 公園・緑地等の復興
  • ライフライン施設の復興
出典:復興対策マニュアル_内閣府

都市基盤施設の復興は、他の施策と同様に、すべての作業で建設業が密接に関わっています。
都市基盤施設は、被災者の生活確保や経済の復興に関わるため、場合によっては復興の仕方も現状復旧だけでなく、既存計画に即した復興・新規整備計画をともなう復興などの選択肢を増やせるでしょう。

どのような復興が地域全体の基盤の強化や地域経済復興に良い影響を与えるかを考慮し、取り組んでいく必要があります。

施策4|文化の再生

災害の規模によっては、指定文化財をはじめとして数々の重要文化財が被災する恐れがあります。
建設業は二次被害による損傷や劣化の拡大を防ぐだけでなく、災害の記憶や教訓を後世に正しく伝承するための記録や施設整備等を進めなければいけません。

文化の再生の作業項目は、以下のとおりです。

  • 文化財等への対応
  • 災害記憶の継承
出典:復興対策マニュアル_内閣府

文化の再生事業は、他の施策と比べて建設業が大きく関わる作業ではありません。
しかし、作業の段階によっては、災害記憶の継承を目的とした施設の整備など、建設業が関わる可能性もあります。

文化の再生事業に関わる機会が訪れた際には、他の施策と同様に、将来の地域づくりに携わる意識を持った対応を進めましょう。

防災マニュアルとしても使える!
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地方自治体が策定を期待されている、復旧・復興に関わる防災マニュアルの中でも、建設業の存在が大きいということがわかりました。

建設業の活躍の場は、道路や港湾等を含む地域の土木インフラや公共施設等の都市基盤など幅広く広がっています。

多くの拠点で地域の復興に貢献するには、それぞれの拠点における被害状況や復旧・復興の進捗状況を共有して管理していくことが必要です。

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他にも登録したピンまでのルート検索や危険予知(KY)活動の記録を共有することも可能
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クロスゼロ for ビジネス[建設オプション]の利用で、迅速かつ正確な対応が求められる被災時の業務に対応していきましょう。

まとめ

今回は、建設業における事業継続計画(BCP)と地方公共団体が策定する復旧・復興に関わる防災マニュアルについて解説しました。
事業継続計画(BCP)を策定、実施・運用することで、建設業が社会から期待されている復興に貢献できます。
防災マニュアルについて知ることで、被災時の業務対応時に地域公共団体とスムーズに業務を実施できるでしょう。

建設業で防災に関わるデータ連携を検討している人は、クロスゼロ for ビジネス[建設オプション]がおすすめです。
クロスゼロ for ビジネス[建設オプション]を使って、事業継続計画(BCP)を実施・運用し、復旧・復興マニュアルを理解することで、日頃から災害に備えていきましょう。

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