AI防災とは?メリット・デメリットや企業での導入事例を詳しく解説

AI防災とは?メリット・デメリットや企業での導入事例を詳しく解説

2024/02/05

防災

AI防災という言葉を聞いたことがありますか?

AIにより膨大なデータを使った分析や予測ができるようになってきたことで、AIを災害領域でも活用する動きが出てきています。

AI防災を活用すれば、災害の予測や対策だけでなく、災害発生時の対応をサポートしたり、人間が対応できない業務を代わりに対応することも可能です。
今回は、AI防災の概要やメリット・デメリット、実際に利用されているAI防災の事例を解説します。

AI防災に興味がある人、AI防災を自社に取り入れようと思っている人はぜひ参考にしてください。

AI防災とは

AI防災は、人工知能(AI)を活用して災害時に迅速かつ効果的な対応を可能にする取り組みのことです。
たとえばAIは、下記のシーンで災害時に活用されています。

  • 音声アシスタント
  • 翻訳
  • チャットボット
  • 電話自動応答システム
  • 医療分野の診断・提案・サポート
  • 災害情報の発信
  • 衛星・ドローンを使った災害情報の把握

ドローンやクラウドツールを活用することで、人間の手には及ばないスピードと精度で、災害発生時に情報収集、分析、対策できる点が魅力です。

AI防災の3つのメリット

AI防災は、膨大なデータを使ったり、ドローンなどの機械を使って災害時のサポートを実現できます。
ここではAI防災を活用する3つのメリットを解説します。

それぞれ詳しく見ていきましょう。

災害発生直後の状況把握や分析ができる

AI防災の最大のメリットは、災害が発生した直後に迅速に現場の状況を把握し、データを分析できる点です。

たとえば地震や洪水などの災害が発生した場合、センサーやカメラを通じてリアルタイムに情報を取得し、地域ごとの被害状況を詳細かつ的確に把握できます。

人が入れない土砂崩れが発生した際も、ドローンを使って空から撮影することで、状況を把握したり、避難経路を発見したりできるかもしれません。

スピード感のある情報共有で二次被害を防止できる

AI防災は、膨大なデータから必要な災害情報をすぐに共有できる点も魅力です。

災害発生時に特に注意が必要なのが、二次災害です。

たとえば、家の瓦礫の下敷きになった人を助けたいがために1人で救助に行けば助けに行った人が家の下敷きになる危険があります。
救助隊とすぐに連絡がつき、複数人で救助を進めることができれば、守るべき人の命を守り、怪我人を最小限に抑えることも可能です。

他にも、災害発生時に道路の寸断や避難所の混雑状況がリアルタイムに伝われば、被災者が次にどんな行動を取ればいいかすぐに分かり、災害時のトラブルを防ぐことができるでしょう。

24時間365日稼働できる

AIは人間とは異なり、休むことなく24時間365日稼働することが可能です。
災害発生時はサポートする人材が体を壊してしまい、十分なケアができなくなるニュースもよく聞きます。

AIを使った相談やケアができるようになれば、災害現場の手助けになるのではないでしょうか。

チャットボットなどによくある質問をまとめて回答できる機能を作っておけば、災害発生時の混乱を防げますし、何度も説明する手間も省けます。

災害が発生した際でも即座に対応でき、迅速な救援や復旧作業を実現できれば、人手不足や時間の制限のない安定したサポートが期待できるでしょう。

AI防災の3つのデメリット

AI防災は、人が介入できない領域のサポートや、人材不足を補うために役立つ機能と言われていますが、まだまだ課題があります。
ここではAI防災の3つのデメリットを解説します。

それぞれ詳しく見ていきましょう。

通信環境の整備が必要

AI防災のデメリットは、通信環境の確保が難しい点です。

災害時には電線が切れて通信が乱れていることも多く、スマートフォンを使わない人も増えます。
いくらチャット機能を充実させたとしても利用する人がいなければ意味がありません。
オフラインでも災害情報を共有できる機能を用意しておく、もしくは全体が使える場所に端末を用意するなど通信状況が不安定な際の対策を考えておく必要があるでしょう。

AIをどこまで信頼できるか不明瞭

AIの信頼性はまだ不透明な部分があります。

特に災害時は通常時と比較しても情報が錯綜し、複雑な状況であるため、AIの判断がどれだけ正確か確認することが難しい場合があります。
もしAIによる誤った指示で負傷者や死者が出た場合、AIに責任を負わせることもできないため、常に管理する必要があるでしょう。

AIの便利さに頼るだけでなく、最終的な決定は人間の判断を仰ぐなど、AIと人とを組み合わせることが大切です。

セキュリティ管理が必須

大量のデータを処理するAIは、セキュリティ管理が大変というデメリットがあります。
データを分析・解析するにはビッグデータとの連携が必要になりますが、情報漏洩や不正アクセスから防災システムを守るためには、厳重なセキュリティ管理が不可欠です。

災害時は周りの混乱に乗じて別の犯罪や事件が起こるリスクも高いです。
AIを防災に活用する際は、事前にセキュリティ管理体制を整え、マニュアルやルールを作っておくと良いでしょう。

AI防災の具体的な活用事例3選

ここからは、具体的なAI防災の活用事例を解説します。
実際に企業で利用されているAI防災の事例は以下の3点です。

それぞれ詳しく見ていきましょう。

LINE|チャットボットを利用した被害状況の共有

LINEでは国立研究開発法人防災科学技術研究所と協力して、災害発生時にチャットボットを通じた被害状況の報告や避難情報の提供を行っています。
災害が発生した際にテキストや画像、位置情報を共有するだけで、チャットボットが災害情報や支援情報を共有できるという仕組みです。

利用者は普段から利用しているLINEを使って災害時の情報を確保できるため、気軽に情報を入力し、必要なサポートを受けられます。
自治体、府省庁などの関係機関と連携をしつつ今後も国内の防災・減災体制の強化に取り組むことを発表しています。

参考:【コーポレート】LINE、防災科学技術研究所と「インターネット・AI技術を活用した防災・減災に向けた連携協力に関する協定」を締結

ウェザーニュース|衛星画像を使って雨雲レーダー画像を作成

ウェザーニュースでは、AIが衛星画像を解析し、雨雲の動向をリアルタイムで把握できる仕組みを作りました。

衛星画像を利用して雨雲レーダーの画像を作成することで、天候予測が可能です。

AIによる天候予測のおかげで、災害級の雨量予測や洪水リスクを事前に把握した上で、適切な対策の指示ができるようになりました。

NTT|ドローンを使った復興状況の把握

NTTはNTTイードローンというドローンを活用して災害状況の空撮や光回線の復旧作業を行っています。
災害現場で活躍するドローンは、GPSが届かない場所でも飛行可能で3Dスキャン機能が備わっているため、建物の状況把握に役立つ特徴があります。

実際に2022年9月に青森県で発生した斜面崩落によって途断された通信インフラは、ドローンを使った通線処理が行われました。

参考:通信インフラの早期復旧にむけた通線ドローン派遣@青森県


災害時のインフラの整備は優先事項の高い要素の一つです。
できるだけ早く災害現場に情報を届けるためにAIやドローンを活用している事例の一つと言えるでしょう。

会社にAI防災を取り入れたい人はクロスゼロにお任せ

AI防災の活用の場が広がっている点を踏まえて、自社にもAI防災を取り入れたいと思っていませんか?
会社の従業員の安全を守るためにAI防災の導入を検討している人は、総合防災アプリ「クロスゼロ」がおすすめです。

クロスゼロは、チャット機能や安否確認機能を備えており、災害発生時に各拠点の安否確認や発信が可能です。

さらに災害状況に関するリアルタイムの情報をAIが分析して発信します。

情報共有機能として、会社で作成している防災マニュアルやシナリオの確認も可能なため、災害発生時の強い味方になるでしょう。

まずは基本的な機能の確認をして、使い心地を試してみてください。

まとめ

今回はAI防災について、概要やメリット・デメリット、実際の企業の導入事例を解説しました。

AI防災とは、AIの台頭により近年活用領域が防災に広がっている取り組みのことです。
膨大なデータを解析してAIに教育することで、災害時に必要な情報の共有や災害予測、二次被害を防ぐための取り組みに活用できます。
AI防災は、24時間365日対応できる点や人が介入できない作業でサポートできるメリットがある一方で、通信環境の確保やセキュリティ管理が課題になっています。

会社でAI防災を取り入れたいと考える人におすすめなのは、総合防災アプリ「クロスゼロ」です。

クロスゼロは災害発生時に気象庁からの気象情報を発信するだけでなく、AIでSNSから収集した独自の発災情報を厳選して配信し、リアルタイムの状況把握をサポートします。
情報収集としてだけでなく、連絡手段としても活用できるため、もしものことがあった時に社員を守ることができます。です。

まずはクロスゼロの基本機能を見て、お試しで利用してみてください。

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