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施工体系図の正しい書き方は?作成する意味と掲示場所もまとめて解説!

施工体系図の正しい書き方は?作成する意味と掲示場所もまとめて解説!

2024/06/14

建築

施工体系図は工事担当を明らかにする図で、一定の条件を満たすと作成の義務が生じます。
発注者・元請業者・下請業者に関する内容がまとまっており、工事体制や役割の把握に効果的です。
紙一面に複数の記入欄がありますが、一体何を書くと良いのでしょうか。

この記事では施工体系図の作成理由や記入方法を解説しています。
初めて担当する人は、書き方を参考にして、施工体系図を作成してみてください。

施工体系図とは

施工体系図は、作業員の工事担当を把握しやすくする図です。
以下では、施工体系図の作成理由や掲示場所を解説しています。

施工体系図を作成する意味

施工体系図は、工事担当者や責任者を細かく記入していますが、なぜこのような手間をかけるのでしょうか。
それは下記の3つのような役割があるからです。

  • 工事体制を把握する役割
  • 各担当を分かりやすくする役割
  • 技術者の配置確認をする役割

施工体系図があると、作業員が自分の担当を把握しやすく、おおまかな流れも掴みやすいです。

さらに、施工体系図は、一定の条件を満たした場合や、建築一式工事を除く下請金額が4,500万円を超えると作成の義務が生じます。
そのため該当する工事は、施工体系図の作成が必要です。

工事別|施工体系図の決まりと掲示場所

施工体系図は、公共工事と民間工事のそれぞれで作成基準や掲示先が異なります。
下記では、公共と民間ごとに条件や掲示場所を解説しているため、確認していきましょう。

公共工事

公共工事は、工事の依頼を引き受けた元請業者が作成します。
下請金額を問わず、施工契約を結んだときに作成が必要です。

施工体系図を作成したあとは、工事関係者が見やすい場所や市民の目につきやすい場所に掲示します。
サイズに決まりはありませんが、見やすい大きさで掲示することが重要です。

民間工事

民間工事は、公共工事と同様に工事の依頼を引き受けた元請業者が作成します。
下請金額が4,500万円以上または、7,000万円を超える建築一式工事の場合に作成が必要です。
一定の金額を超えた場合のみ義務が生じるため、契約を結んだ時点では作成する必要がありません。

掲示する際は、工事関係者が見やすい位置に貼ります。
公共工事と同様にサイズに決まりがないため、見やすい大きさにしましょう。

施工体系図の記入方法

施工体系図の左側は主に工事全体の詳細を、右側には主に下請業者の情報を記入します。
以下では左側と右側ごとに書く内容をまとめているため、参考にしてみてください。

左側の項目

はじめに、左側の記入項目から解説していきます。
左側の項目は、以下の11つです。

  • 発注者名
  • 工事名称
  • 元請名・事業者ID
  • 監督員名
  • 監理技術者・主任技術者名
  • 監理技術者補佐名
  • 専門技術者名・担当工事内容
  • 統括安全衛生責任者
  • 副会長
  • 元方安全衛生責任者
  • 書記

それぞれ確認しましょう。

発注者名

施工体系図の上部にある発注者名には、工事の依頼元となる発注者名を記入します。

会社から工事を請け負った場合は、会社名を書きましょう。
都道府県・市区町村・地方公共団体のように公共工事を請け負った場合は、県や市の名前を記入します。

工事名称

工事名称には、発注者から請け負った工事名を記入しましょう。

工事名を書く際は、「〇〇(建物名)建設工事」のように建物の名前と工事内容を書きます。
長文で細かく記載するのではなく、単語で簡潔にまとめるのがポイントです。

元請名・事業者ID

元請名の部分には、発注者から依頼を受けた会社の名前を記入しましょう。

事業者IDには、建設キャリアアップシステムの登録番号を書きます。
登録済みの場合は番号を記入しますが、登録なしの場合は必要ありません。

監督員名

監督員名には、元請業者が配置した監督員の名前を記入します。

監督員は、一次下請を取り締まる役目があり、設計図通りに工事が進行しているかを確認する人です。
そのほか、工事の立ち合いや現場確認なども行います。

監理技術者・主任技術者名

監理技術者と主任技術者がいる場合は、枠内に名前を記入しましょう。

主任技術者は、一部の条件を除いた全ての現場に、配置が義務付けられています。

監理技術者は下請金額が4,500万円以上、または7,000万円以上の建築一式工事に必須です。
条件に当てはまる場合は、主任技術者の代わりに監理技術者の名前を記入しましょう。

監理技術者補佐名

元請業者が、現場に監理技術者補佐を配置した場合は、担当者の名前を書きましょう。

監理技術者補佐は、監督技術者をサポートする役割があり、監理技術者が複数の工事を掛け持つ場合に配置されます。

専門技術者名・担当工事内容

専門技術者名の枠内に、担当者の名前を書きましょう。

専門技術者とは、主任技術者の資格や経験を所持している人のことをいいます。
自社で、500万円以上の専門工事を行う場合に配置が必要です。

担当工事内容には、専門技術者が受ける工事内容を書きます。

統括安全衛生責任者

統括安全衛生責任者がいる場合は、枠内に名前を記入しましょう。

総括安全衛生責任者は、作業員が50人以上いる場合に配置する必要がある責任者です。
ずい道橋梁建設や圧気工法を行う場合は、30人以上から配置が要されます。

副会長

副会長は、元請業者が下請業者の中から選んだ人の名前を書きます。
この際、下請業者の中から選ぶため、元請業者の名前は記入しません。
共同企業体の場合は、企業体をまとめる事業者の名前を記入しましょう。

元方安全衛生責任者

元方安全衛生責任者が配置されている場合は、該当者の名前を記入しましょう。

統括安全衛生責任者がいる現場では、元方安全衛生管理者の配置が必須です。
元方安全衛生責任者は、統括安全衛生責任者の指揮下で、組織の運営・現場の確認・サポートを行う役目があります。

書記

書記は、災害防止協議会の議論を目録に収める役割があります。
書記の欄に、担当者の名前を記入しましょう。

右側の項目

次に右側の項目を解説していきます。
右側の項目は、以下の10つです。

  • 工期
  • 会社名・事業者ID
  • 代表者名
  • 許可番号
  • 工事内容
  • 特定専門工事該当の有無
  • 安全衛生責任者
  • 主任技術者
  • 専門技術者・担当工事内容
  • 工期

それぞれ見ていきましょう。

工期

工期には、契約書にある工事期間を書きましょう。

「自」には工事開始日、「至」は工事終了日を記入します。
この際、「令和〇年〇月〇日」のように元号を使用して 書きましょう。

会社名・事業者ID

元請業者が下請業者と契約を結んだ場合は、会社名に下請業者の名前を記しましょう。

元請業者から工事を請けた下請業者の名前は、縦に書きます。
下請業者がさらに別の業者と契約を結んだ場合は、横に記入します。

建設キャリアアップシステム登録者の場合は、IDの記入も忘れないように気を付けてください。

代表者名

代表者名の枠には、代表者の名前を記入しましょう。代表者は工事の請負先の中心にあたる人物です。

許可番号

許可番号は、下請業者が建設業許可を受けている場合に記入します。
「国土交通大臣許可」か「知事許可 」のどちらかを書きましょう。

そして、番号記入の下にある一般建設業の「一般」・特定建設業の「特定」の当てはまる方を選択します。
建設業許可は、建設業の経営に必要ですが、小さな規模での工事を行う場合には許可は必要ありません。

工事内容

工事内容には、下請業者が担当する工事の詳細を記入します。
おおまかな表記ではなく、鉄筋組立工事やコンクリート工事のように、詳しく簡潔に書くのがポイントです。
複数の内容がある場合も、同じ枠内にまとめて書きましょう。

特定専門工事該当の有無

特定専門工事に当てはまる場合は「有」へ、当てはまらない場合は「無」を選択します。

監理技術者補佐 特定専門工事とは、2020年に改正された現場の効率化と人材を上手く使うことを目的にした制度です。
この改正により、条件を満たす工事であれば、主任技術者を配置しなくても良くなりました。
型枠工事・鉄筋工事や下請金額が4,000万円未満などの条件を満たす場合は、「有」を選びましょう。

安全衛生責任者

安全衛生責任者には、下請業者が手配した安全衛生責任者の名前を記入しましょう。

安全衛生責任者は、統括安全衛生責任者とのやり取りや労働災害の危険性の有無の確認をする役目があります。
安全衛生責任者には、職長が任命される場合が多いです。

主任技術者

主任技術者には、下請業者が配置した主任技術者の名前を記入しましょう。

主任技術者とは、現場の管理を行う人のことをいい、一定の条件を満たす工事以外に配置が義務付けられています。

専門技術者・担当工事内容

専門技術者の枠には、下請業者が配置した専門技術者の名前を書きます。

専門技術者は500万円以上の専門工事がある場合に必須です。
しかし条件を満たさない場合は専門技術者の配置が不要になるため、名前の記入は必要ありません。

その下の担当工事内容には、引き受けた作業の詳細を記入します。

工期

工事契約書に記載された、各工事にかかる日にちを記入します。

ここでは工事全体の期間ではなく、下請業者が引き受けた工期を記入しましょう。
上部に記入した工期と同様、「令和〇年〇月〇日~令和〇年〇月〇日」のように元号を使用して表記します。

まとめ

施工体系図は工事の期日・内容や責任者など、複数の記入項目があり、難しいイメージが定着しているでしょう。
しかし、各項目は工事内容や代表者を把握しておけば書ける内容ばかりです。工事で何を行うのかや、 誰が担当するのかを確認していれば問題ありません。

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ぜひ作成方法を参考にして、施工体系図を仕上げてみましょう。

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