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建設業界における設計DXのメリットとは?具体的な課題と解決法も解説

建設現場のDX化を推進する遠隔巡視とは?メリット・デメリットや導入時の注意点まで解説

2024/08/29

建築

建設業界のDX化が急速に進む中、遠隔巡視システムの普及が進んでいます。

このシステムは、現場の効率化と安全性向上に大きく貢献する一方で、導入にあたってはさまざまな課題も存在します。

本記事では、遠隔巡視の基本概念から仕組み、そのメリットとデメリット、さらに導入時の注意点まで、わかりやすく解説します。

建設業界のDX化を進める遠隔巡視の導入を検討している方は、ぜひ参考にしてください。

遠隔巡視とは?

「遠隔巡視」とは、ウェアラブルカメラやネットワークカメラなどを活用し、現場に立ち寄ることなく、離れた場所からリアルタイムに現場状況を確認するシステムです。

遠隔巡視は、以下のような場面で活用されています。

  • 事務所にいながら現場状況を確認できる
  • 遠隔地から作業員に指示や指導ができる
  • 作業現場を遠隔で監視して、作業員の安全を確保する
  • 現場の進捗状況をリアルタイムで把握できる
  • 第三者が遠隔地から検査や監査を行える

遠隔巡視は、建設業界のDX(デジタルトランスフォーメーション)推進で重要な役割を果たす技術として期待されています。

遠隔巡視システムの仕組み

遠隔巡視システムは、基本的には以下の2つで構成されています。

カメラ

カメラは遠隔巡視システムの中核を担う重要な要素です。

近年では、高画質化や広視野角化、暗視機能搭載など、さまざまな機能が進化しており、より精緻な現場観察が可能になっています。

遠隔巡視システムには、主に以下の3種類のカメラが用いられています。

固定カメラ
  • 現場に設置し、常時映像を配信するカメラ
  • 広範囲の監視に適している
可動カメラ
  • パン(上下)・チルト(左右)・ズーム(拡大縮小)機能を搭載しているカメラ
  • 特定の箇所を詳細に観察するのに適している
ウェアラブルカメラ
  • 作業員がヘルメットなどに装着するカメラ
  • 作業員の視点から現場の様子を記録できる

カメラを選ぶ際には、以下のポイントを考慮する必要があります。

  • 画質(解像度やフレームレートなど、必要な画質を満たしているかどうか)
  • 視野角(監視する範囲を十分にカバーできるかどうか)
  • 機能(暗視機能やズーム機能など、必要な機能が搭載されているかどうか)
  • 設置場所(設置場所の環境に耐えられるかどうか)

カメラは、遠隔巡視システムの重要な構成要素であり、適切なカメラを選ぶことが、システム全体の性能を左右します。

通信ネットワーク

遠隔巡視システムの円滑な運用には、安定した通信ネットワークが不可欠です。

現場の状況をリアルタイムで把握するためには、以下の要素を満たすネットワーク環境が必要です。

高速かつ安定した通信速度

高画質な映像や音声データをスムーズに伝送するためには、十分な帯域幅を確保する必要があります。
帯域幅とは、通信に使う電波や光の周波数の範囲のことです。

特に、複数台のカメラを設置する場合や、360度カメラを使用する場合は、より高性能なネットワークを用意する必要があります。

低遅延

現場の状況をリアルタイムで確認するためには、映像や音声データの遅延を最小限に抑える必要があります。
一般的に、遅延時間が1秒以下であれば、違和感なく操作できるとされています。

セキュリティ対策

ネットワークを通じて送受信されるデータは、機密情報を含む場合も多く、不正アクセスや情報漏洩のリスクにさらされています。
そのため、ファイアウォールや暗号化などのセキュリティ対策を徹底する必要があります。

遠隔巡視のメリット

遠隔巡視の主なメリットは、以下の3つが挙げられます。

それぞれ詳しく見ていきましょう。

1. 移動時間の削減

遠隔巡視のメリットの一つが、移動時間の削減です。

従来の巡視方法では、現場監督者や品質管理者が複数の建設現場を直接訪れる必要がありました。
これには多くの時間と労力がかかり、特に遠隔地や複数の現場を抱える大規模プロジェクトでは、移動に費やす時間が業務効率を著しく低下させていました。

遠隔巡視システムの導入により、オフィスや管理拠点から複数の現場をリアルタイムでの監視・管理が可能です。

2. 複数現場の同時巡視による業務効率化

遠隔巡視システムの導入により、複数の建設現場を同時に監視・管理できるため、業務効率が向上します。

遠隔巡視システムの利点は、オフィスにいながら複数の現場をリアルタイムで確認できる点です。

従来の巡視方法では、監督者が各現場を個別に訪問する必要がありましたが、遠隔巡視ではその必要がなくなるため、以下のようなメリットが得られます。

  • 移動時間の大幅削減
  • 問題発生時に素早い判断と対応が可能
  • 人員や資材を効率的に配置可能
  • 移動費や人件費などのコスト削減

さらに、遠隔巡視システムは24時間365日の監視を可能にし、夜間や休日の現場状況も把握できます。

そのため、セキュリティの強化や不測の事態への迅速な対応も可能です。

複数現場の同時巡視は、建設業界の生産性向上と働き方改革を推進する重要な要素となっています。

3. 記録・分析の容易化

遠隔巡視システムは、現場の状況を映像で記録できるため、従来の巡視では難しかった詳細な記録・分析が可能です。

具体的には、以下のようなことが可能になります。

過去の記録と比較検討による改善

過去の映像と比較して、作業工程や安全対策の改善点を見つけやすくなります。
例えば、作業員の動きや資材の配置などを分析すれば、非効率な作業や危険箇所を特定し、再発防止策を講じることが可能です。

問題発生時の迅速な対応

遠隔巡視システムは、リアルタイムで現場の様子を映し出せるため、問題が発生した場合に迅速な対応が可能です。
例えば、作業員の体調不良や機械の故障などをいち早く発見し、適切な指示を出せます。

教育・研修資料の作成

記録された映像は、教育や研修資料としても活用できます。
現場経験豊富なベテラン社員が作成した映像を用いることで、新入社員や若手社員に安全な作業方法や手順を効率的に教えることができます。

遠隔巡視のデメリット

遠隔巡視の主なデメリットは、以下のとおりです。

それぞれ詳しく見ていきましょう。

1. 視覚情報の域を出ない

遠隔巡視の課題の一つが、視覚情報に限定される点です。

現場の状況をリアルタイムで確認できるメリットがある一方で、音や振動などの情報が得られないため、詳細な状況把握には限界があります。

特に、以下のような状況では、視覚情報だけでは不十分な場合があります。

  • 機械の異音や異常振動
  • 資材の品質や状態
  • 作業員の体調や安全確認
  • 地盤の状態や周辺環境の変化

これらの課題を克服するために、音声・動画と組み合わせた遠隔巡視システムの導入が検討されています。

2. 即時的な対応には限界がある

遠隔巡視は、即時的な対応には限界があります。
これは、現場と拠点間の通信環境や、システムの処理速度などに影響を受けるためです。

例えば、以下のような状況では、遠隔巡視による即時的な対応が難しい場合があります。

  • 重機の緊急停止や運転トラブル
  • 作業員のケガや事故
  • 突発的な悪天候や自然災害

これらの場合、迅速な対応が求められるため、常駐の監督員や作業員が必要となります。

遠隔巡視と常駐の監督員・作業員の役割をうまく分担すれば、これらの課題を克服できます。

具体的には、以下のような対策が有効です。

  • 緊急時の対応マニュアルを整備し、周知徹底する
  • 遠隔巡視システムと連動した、緊急連絡・指示システムを導入する

これらの課題を克服すれば、遠隔巡視はより多くの現場で活用され、建設現場のDX化を推進していけるでしょう。

3. 導入コストの負担

遠隔巡視システムを導入するには、以下のように初期費用とランニングコストがかかります。

初期費用
  • システム機器の購入費用
  • 通信設備の設置費用
  • システム構築費用
ランニングコスト
  • 通信費用
  • システム保守費用

これらの費用は、導入する規模やシステム機能によって大きく異なりますが、数十万から数百万円程度かかる場合もあります。

中小企業や小規模事業者にとって、これらのコスト負担は大きな課題です。

導入コストを抑えるための対策としては、以下のような方法が挙げられます。

  • 建設現場のDX化を支援する補助金・助成金制度の活用
  • レンタルサービスの利用
  • 必要に応じて段階的に導入

導入コストを明確にし、予算を確保した上で検討を進めることが重要です。

遠隔巡視システム導入時の注意点

遠隔巡視システムを導入する際には、以下の点に注意する必要があります。

適切なシステムを選ぶ

遠隔巡視システムを導入する際には、現場のニーズに合ったシステムを選ぶことが重要です。

考慮すべきポイントは以下の通りです。

  • 必要な機能
  • 予算
  • 操作性

複数のシステムを比較検討し、デモなどを活用して実際に操作してみることをおすすめします。
また、サポート体制も確認しておきましょう。

セキュリティとプライバシーの確保

遠隔巡視システムを導入する際には、セキュリティとプライバシーの確保が重要です。

建設現場では、個人情報や機密情報を含む映像データが扱われます。
これらのデータが漏洩したり、不正アクセスされたりすると、重大な問題を引き起こす可能性があるため、注意が必要です。

具体的な対策としては、以下のような対策が考えられます。

  • アクセス制御
  • ログ管理
  • セキュリティ対策ソフトの導入
  • 定期的なセキュリティ監査
  • プライバシー侵害に配慮した場所にカメラを設置

セキュリティ対策を怠ると、情報漏洩や不正アクセスによる被害が発生するだけではなく、法令違反にもつながる可能性があります。

万が一のトラブルに備えて、責任の所在も明確にしておきましょう。

運用マニュアルを作成する

遠隔巡視システムを導入したら、運用マニュアルを作成しましょう。

運用マニュアルには、以下のような内容を記載する必要があります。

  • システムの概要と機能
  • 日常の運用手順
  • トラブルシューティング
  • 責任分担

運用マニュアルは、現場の状況に合わせて定期的に見直し・改訂する必要があります。

まとめ

建設現場のDX化が進む中、注目を集めているのが「遠隔巡視システム」です。現場に赴かなくてもリアルタイムで状況を把握できるこのシステムは、生産性向上や安全性の確保などに効果を発揮します。

しかし、導入には運用マニュアルの作成など注意すべき点もいくつかあります。導入を検討している方は、メリット・デメリットと注意点もしっかり理解した上で、最適なシステムを選びましょう。

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