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建設業の工程表とは?種類や作成手順からツールまでわかりやすく解説

建設業の工程表とは?種類や作成手順からツールまでわかりやすく解説

2024/10/15

建築

建設プロジェクトの成功には、緻密な工程管理が不可欠です。
しかし、複雑な工程を管理し、予期せぬ遅延や問題に迅速に対応することは容易ではありません。

そこで重要となるのが、適切な工程表の作成と活用です。
本記事では、建設業の工程表の基本概念から、種類、作成手順、そして最新のデジタルツールまで解説します。
手書きからExcel、さらには専門の工程管理システムまで、プロジェクトの規模や目的に応じた最適な方法を見つけられるでしょう。

効率的な工程管理を実現し、プロジェクトの成功率を高めたい方は、ぜひ最後までお読みください。

工程表とは?

工程表は、建設プロジェクトの進行を管理するための重要なツールです。
プロジェクトの開始から完了までの各作業順序、期間、担当者を一目で把握できるよう視覚化したものを指します。

具体的には、横軸に時間軸、縦軸に作業項目を配置し、バーチャートやガントチャートの形式で表現されるものが存在します。
工程表を活用すれば、作業の遅延や重複を防ぎ、効率的なプロジェクト運営が可能です。関係者間での情報共有や進捗状況の確認にも役立ちます。

建設現場では、天候や資材の調達状況など、予期せぬ事態にも対応できるよう、柔軟性を持たせた工程表作成が求められます。

工程表の役割

工程表は、建設現場でのスケジュール管理に欠かせないツールです。

具体的な役割には、以下のようなものが挙げられます。

工程管理
  • 各作業の開始時期や完了予定日を明確にする
  • プロジェクト全体の進捗状況を把握しやすい
納期遵守
  • 各工程の遅れが一目で把握できる
コスト削減
  • 作業の無駄や重複を防ぐ
  • 効率的な人員配置や資材調達ができる
コミュニケーションツール
  • 関係者間の情報共有を促進する

工程表は、プロジェクトの全体像を可視化し、円滑な進行を促す役割を担っているので、建設プロジェクトの成功に不可欠です。

工程表の種類

工程表には、以下の5種類があります。

それぞれの特徴を理解して、使い分けましょう。

バーチャート

バーチャートは、プロジェクトの工程を棒グラフで表した工程表です。
縦軸に作業項目、横軸に作業開始日と終了日を配置し、各作業の期間を棒グラフで表します。プロジェクトのスケジュールを視覚的に把握できるのが特徴です。

バーチャートのメリット・デメリットは、以下のとおりです。

メリット デメリット
  • 簡単に作成できる
  • プロジェクト全体の工程を一覧で把握しやすい
  • 作業間の依存関係や並行作業の関係の表現が難しい
  • 複雑なプロジェクトには不向き

バーチャートは、プロジェクトの工程をシンプルかつ視覚的に把握できる工程表です。
作成が容易であり、進捗管理にも適しているため、建築業をはじめとするさまざまな分野で広く利用されています。

ガントチャート

ガントチャートは、プロジェクトの進捗状況を視覚的に把握するために広く利用されている工程表です。

縦軸に作業内容を、横軸に時間を配置し、各作業の開始時期や終了時期、および進捗状況を棒グラフ(ガントバー)で表します。
プロジェクト全体のスケジュールをひと目で理解できるのが特徴です。

ガントチャートのメリット・デメリットは、以下のとおりです。

メリット デメリット
  • プロジェクトの全体像を把握しやすい
  • 進捗状況が可視化できる
  • 作業間の依存関係の表現が難しい
  • 大規模かつ複雑なプロジェクトでは、
    ガントチャートだけでは全体を把握しにくい

直感的な視覚化と進捗管理の容易さから、建築業をはじめとするさまざまな分野で広く活用されています。

グラフ式

グラフ式工程表は、バーチャートとガントチャートの特徴を併せ持つ、視覚的に分かりやすい工程表です。縦軸に作業項目、横軸に時間(日数や週数など)を配置し、各作業の進捗状況をグラフで表現します。

グラフ式工程表のメリット・デメリットは、以下のとおりです。

メリット デメリット
  • グラフの形状から、作業の進捗状況を
    数値だけではなく、視覚的に把握できる
  • プロジェクト全体の進捗状況が把握できる
  • 作成に時間がかかる
  • 詳細なデータを集計しなければいけない

グラフ式工程表は、プロジェクトの進捗状況を詳細に分析し、視覚的に把握したい場合に有効なツールです。
複数の作業間の関係性や、進捗速度の変化を詳しく分析したい場合に適しています。

出来高累計曲線(工程管理曲線)

出来高累計曲線は、建設プロジェクト全体の進捗状況を視覚的に把握するための工程表です。
縦軸には進捗率を、横軸には日数を設定し、時間の経過に伴う作業の進行状況を曲線で示します。

進捗が遅れがちな初期段階や、順調に進む中期、完成間近で緩やかになる終盤の進捗状況をS字型で表現します。
これにより、計画に対して現在の進捗が早いか遅いかを一目で確認できるのが特徴です。

出来高累計曲線のメリット・デメリットは、以下のとおりです。

メリット デメリット
  • 曲線の形状で、工事全体の進捗状況を簡単に把握できる
  • 適切な資源配分やスケジュール調整ができる
  • 各作業単位での詳細な進捗状況は把握しにくい
  • 外部要因による遅延などの予測の難しさ

出来高累計曲線は、プロジェクト全体の進捗状況を視覚的に把握し、遅延を早期に発見するために有効なツールです。特に大規模な建設工事では、全体の進捗状況を管理する上で重要な役割を果たします。

ネットワーク式

ネットワーク式工程表は、工事全体の工程を、丸と矢印を用いて図で表した工程表です。
各丸は作業の開始点または終了点を表し、矢印は作業間の関係(先行・後行関係)と所要日数を示します。作業間の先行・後行関係を明確に示せるため、プロジェクト全体の構造を把握しやすくなります。

ネットワーク式のメリット・デメリットは、以下のとおりです。

メリット デメリット
  • 複雑な工程も整理できる
  • 遅延リスクの高い作業に重点的に対応できる
  • 作成の難易度が高い
  • 情報過多になりやすい

ネットワーク式工程表は、プロジェクトの工程を詳細に分析し、最適化したい場合に有効なツールです。作業間の関係性を明確にし、プロジェクト全体の効率化を図れます。

建設業での工程表作成手順とポイント

工程表は、建設業の作業を進行するうえで大切なツールです。

工期や作業の順序、必要なリソースを明確にすれば、計画的かつ効率的な施工が可能になります。
しかし、工程表を作成する際には、ただ順序を並べるだけではなく、各工程の関連性やリスク管理、調整が必要です。

ここでは、工程表作成の基本手順と、効果的に進行させるためのポイントを詳しく解説します。

工程表作成の基本手順

工程表作成の基本手順は、以下のとおりです。

  • 工事の全体像を把握
  • 工事を細分化し、各作業項目を洗い出す
  • 各項目の所要期間を見積もる
  • 時系列に沿って作業を配置し、全体の工期を決定する
  • 各作業のスケジュールを調整する

現場の状況や天候などのリスク要因も考慮に入れ、柔軟性のある工程表を作成する必要があります。

作成時の注意点

工程表を作成する上での注意点として、以下の点が挙げられます。

  • 工事内容、工程、人員、資材など、必要な情報を正確に反映する
  • 各作業の開始日、終了日、所要日数を明確に設定する
  • 変更が発生した場合には、速やかに工程表に反映させる
  • 適切なツールを活用する

工程表はあくまで計画であり、実際の工事では変更が発生する可能性があります。

変更があった場合にも、柔軟に対応できるよう、定期的な見直しを怠らないよう注意しましょう。

工程表をわかりやすくするためのコツ

せっかく工程表を作成しても、現場で作業する人たちが理解できなければ意味がありません。
工程表をわかりやすくするためのコツには、以下のような点が挙げられます。

  • 専門用語を避け、シンプルな言葉で説明する
  • 不要な情報は省く
  • 工事の進捗に合わせて、こまめに見直す
  • 関係者で共有する

図や表を効果的に活用すれば、工程表はより理解しやすくなります。
工程表の種類によるメリット・デメリットを踏まえて、見やすい工程表を作成しましょう。

建設業での工程表の作成方法

工程表の作成方法には、以下のような方法があります。

それぞれ詳しく見ていきましょう。

手書き

手書きによる工程表作成は、今でも多くの現場で活用されています。
大判の用紙に罫線を引き、横軸に日付や週、縦軸に作業項目を記入し作成します。
マーカーなどを活用すれば、わかりやすく仕上げられるでしょう。

手書きの利点は、現場での即時修正が容易で、特別なツールが不要な点です。
一方で、大規模プロジェクトでは管理が難しく、複数の関係者間での共有にも手間がかかる課題があります

Excel・Word

ExcelやWordは、工程表作成の際に使われるツールの一つです。
Excelでは、セルを活用してガントチャートを簡単に作成でき、数式や関数を用いて作業期間の自動計算も可能です。

Wordでは、表機能を使って見やすい工程表を作成できます。

両ソフトとも、テンプレートの利用や色分け、図形の挿入などで視覚的に分かりやすい工程表が作れます。
デジタルデータのため、修正や共有が容易で、印刷や保存も簡単です。

工程管理システム・アプリ

工程管理システムやアプリは、建設業の工程表作成を効率化するツールです。

ソフトウェアは、複雑な工程を簡単に可視化し、リアルタイムで進捗状況を更新できます。多くのシステムでは、資源配分の最適化やコスト管理、リスク分析などの高度な機能も備えています。

クラウドベースのソリューションを使用すれば、現場と事務所間でのデータ共有もスムーズにでき、モバイルアプリを活用すれば、現場で即座に情報を入力・確認できます。

まとめ

本記事では、工程表の基本から種類、作成手順、そして最新の作成方法まで幅広く解説しました。

建設業の工程表は、プロジェクトのスムーズな進行に不可欠なツールです。
バーチャートやガントチャートなどの種類を理解し、適切な作成手順と注意点を押さえ、適切な工程表を作成しましょう。

工程表は、作成やExcel・Wordなどを使用した方法もありますが、工程管理システムやアプリの活用をおすすめします。

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