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建設業界における設計DXのメリットとは?具体的な課題と解決法も解説

建設現場で起きるヒヤリハットの事例と3つの安全対策を徹底解説!

2024/06/28

建築

建設現場は、常に危険と隣り合わせです。
転倒や墜落、重機との接触など、一瞬の油断が命に関わる事故につながりかねません。

しかし、こうした重大な事故に至る前に、小さな「ヒヤリハット」と呼ばれる危険予知のサインが現れます。

ヒヤリハット事例を共有し、そこから学ぶことで、未然に事故を防ぎ、安全な建設現場を実現できます。

本記事では、建設業でのヒヤリハットとは何か、具体的な作業内容別事例、発生時の対応、そして事例から学べる安全対策に関して詳しく解説します。

ヒヤリハットとは?

建設業での「ヒヤリハット」とは、重大な災害や事故には至らなかったものの、一歩間違えれば大事故につながりかねない危険な出来事を指します。

具体的には、作業中に「ヒヤッとした」「ハッとした」と感じるような、ヒヤリとした瞬間や、ちょっとしたミス、ニアミスなどを指します。

建設現場は、高所作業や重機を使った作業も多く、危険と隣り合わせの環境です。

ヒヤリハットは、こうした危険が潜んでいることを示すサインであり、再発防止に向けた対策を講じることで、より安全な職場環境を実現できます。

ヒヤリハットが重要視される理由

建設現場での安全対策は、関係者全員にとって重要な課題です。

重大な事故を未然に防ぐためには、日々の業務の中で発生する「ヒヤリハット」と呼ばれる軽微な危険予知を軽視せず、対策を講じなければなりません。

これは「ハインリッヒの法則」に基づいています。
この法則はアメリカの損害保険会社に勤めるハーバート・ウィリアム・ハインリッヒ氏が5,000件以上の労働災害を調査して導き出した経験則です。

「1件の重大事故の背後には29件の軽微な事故、そしてその背景には300件のヒヤリハットが存在する」とされるのがハインリッヒの法則です。

つまり、重大な事故は突発的に起こるわけではなく、軽微な事故やヒヤリハットの積み重ねによって発生する確率が高くなります。

建設現場でのヒヤリハットは、転倒・滑落、落石・墜落、重機との接触、感電など、多岐にわたります。

軽微なものであっても、放置すれば重大な結果を招きかねないため、現場関係者全員が積極的にヒヤリハットを報告・共有し、再発防止に努めることが求められます。

ヒヤリハットの主な原因

建設業でのヒヤリハットは、主に以下の3つの原因に分類されます。

ヒューマンエラー(人的要因) 不注意・思い込み
疲労・体調不良
知識・経験不足
作業環境・設備要因 整理整頓が不十分
作業スペースが狭い
機械・設備の不具合
安全管理体制の不備 安全教育・指導が不足
情報共有が不十分
安全対策が徹底されていない

これらの原因は単独で発生するだけではなく、複合的に重なることで、より深刻なヒヤリハットや重大事故につながる可能性があります。

関係者全員がそれぞれの原因を認識し、対策を講じることが重要です。

建設業での作業内容別ヒヤリハット事例

高所作業

高所作業は、墜落・転落のリスクが最も高く、重大事故に繋がる可能性も高いことから、特に注意が必要です。

ここでは、高所作業におけるヒヤリハット事例をいくつか紹介します。

事例1
足場からの転落
足場上を移動中、足場板が破損していることに気づかず、足を踏み外して転落しそうになった。
事例2
脚立からの転倒
脚立の上段から物を取ろうとして、バランスを崩しそうになった。
事例3
脚立のはしごが外れる
脚立を降りようとしたところ、上段のはしごが外れ、転落しそうになった。

これらの事例はあくまでも一例であり、他にもさまざまなヒヤリハット事例が数多く存在します。

高所作業は墜落などの重大な災害リスクを伴うため、常に周囲に注意を払い、安全対策を徹底しなければなりません。

吊り作業

吊り作業は荷物の運搬や設置などさまざまな場面で必要不可欠な作業です。

しかし、吊り作業は高所作業や重機を用いるため、ちょっとした油断やミスが重大な事故につながる可能性も秘めています。

吊り作業でのヒヤリハット事例には、以下のようなものがあります。

事例1
荷吊りワイヤーの破損
クレーンで吊り荷を吊り上げていたところ、ワイヤーが突然切れて荷物が落下しそうになった。
事例2
玉掛けのミス
吊り荷を玉掛けする際に、ワイヤーが外れてしまった。吊り荷が落下することはなかったが、もし落下していたら、周囲の資材や設備を損傷する可能性があった。
事例3
誤操作
クレーンを操作していた作業員が誤って操作し、吊り荷が思わぬ方向に動き、作業員が危うく巻き込まれそうになった。

これらの事例は、いずれも軽微なミスや不注意によって発生したものです。
吊り作業に限らず、手順を厳守し安全を確認した上で作業する必要があります。

採掘・解体作業

採掘・解体作業は、建物の解体や道路工事など、さまざまな場面で必要となる作業です。

しかし、重機を用いたり、建物を解体したりするため、危険と隣り合わせでもあります。

採掘・解体作業でのヒヤリハット事例には、以下のようなものがあります。

事例1
重機の誤操作
ショベルカーで掘削作業を行っていたところ、誤操作により重機が暴走し、作業員に衝突しそうになった。
事例2
落下物の飛来
建物の解体作業を行っていたところ、解体中の部材が落下し、作業員に直撃しそうになった。
事例3
飛散物の飛来
掘削作業中に、飛散物が作業員の目に当たってしまった。

これらの事例は、いずれも重機や資材の取り扱いミス、周囲の状況への注意不足などが原因で発生しています。

作業に入る前に、機材や作業スペースなどの安全確認を怠ってはいけません。

ヒヤリハットな事例が起こったら?

建設現場では、ヒヤリハットの事例が日々発生しています。

重大な事故には至らなかったものの、作業員の不注意や安全対策の不備が原因で、人身事故やケガ、設備の損壊にもつながりかねない出来事です。

ヒヤリハットの事例を軽視せずに真摯に受け止め、原因を分析し、再発防止策を講じることが重要です。

ヒヤリハットが発生したら、以下の手順を徹底しましょう。

安全を確保する

すぐに作業を中止し、周囲の安全を確認しましょう。
もし危険が差し迫っている場合は、二次災害を防ぐために適切な措置を講じましょう。

状況の記録と報告

ヒヤリハットの内容を具体的に記録し、報告書を作成しましょう。
記録内容は、いつ、どこで、誰が、何をした、何が起こったのか、潜在的な危害などを詳細に記載します。

写真があれば添付し、より客観的な情報を提供します。
報告書は、関係者全員で共有し、今後の対策に役立てましょう。

再発防止策の策定と実施

分析結果に基づき、具体的な再発防止策を策定します。
例えば、作業手順の変更、安全設備の導入、教育・訓練の実施などが考えられます。

策定した対策は、関係者全員に周知徹底し、確実に実行されるようにします。
また、対策の効果を検証し、必要に応じて改善を図ることも大切です。

ヒヤリハット事例から学ぶ
3つの安全対策!

建設現場は、高所作業や重機操作など、危険と隣り合わせの環境です。
ここでは、ヒヤリハット事例から学べる、以下の3つの安全対策を紹介します。

これらの対策を徹底し、事故を未然に防ぎ安全な職場環境を目指しましょう。

現場環境の整備

建設現場でのヒヤリハット事例の多くは、現場環境の整備が不十分であることが原因で発生しています。

段差や傾斜のある場所、滑りやすい路面、資材の放置など、ちょっとした油断が思わぬ事故につながる可能性があります。

安全な作業環境を整えるためには、以下のポイントを意識して現場環境を見直す必要があります。

  • 通路確保と資材の適切な配置
  • 足場や仮設設備の定期的な確認
  • 適切な標識・表示板の設置
  • 整理・整頓・清掃・躾・保安(5S活動)の徹底

現場環境の整備は、事故を未然に防ぐためにも重要です。
上記のポイントを踏まえ、安全な現場環境を目指しましょう。

危険予知活動(KY活動)の徹底

建設現場でのヒヤリハット事例からわかることは、危険予知活動(KY活動)の重要性です。

KY活動とは、作業前に危険要因を事前に洗い出し、対策を検討して作業を行うことで、リスクを低減させる取り組みです。

具体的には、作業手順の確認や使用する工具や資材の点検、保護具の装着チェックなどが含まれます。

作業員一人ひとりが安全に対する意識を高め、危険を先読みする習慣を身につけることが不可欠です。

管理者はKY活動を徹底させ、現場の安全意識を向上させる必要があります。

作業手順の明確化

建設現場でヒヤリハットが発生する大きな要因の一つが、作業手順の不明確さや運用ルールの不徹底にあります。

作業員一人ひとりが「どの作業を」「どのような順序で」「どのように実施するのか」を理解していないと、ミスや作業ミスにつながる恐れがあります。

事故を未然に防ぐためにも作業手順書を作成し、作業手順を明確化させることが重要です。

作業手順書には、以下の内容を盛り込みましょう。

  • 作業目的
  • 作業手順
  • 使用資材・工具
  • 作業場所
  • 作業者
  • 作業中の安全対策

わかりやすい手順書や作業マニュアルを整備し、作業員への周知徹底を図る必要があります。
さらに定期的な手順の見直しや、安全対策の改善も欠かせません。

作業手順を明確化すれば、事故の危険性を大幅に低減できるでしょう。

まとめ

建設業は、高所作業や重機操作など、危険と隣り合わせの仕事です。
厚生労働省によると、2022年の建設業における労働災害発生件数は、14,539件に上り、死亡災害が281件発生しています。
(参照:厚生労働省「令和4年労働災害発生状況の分析等・表9」)

このような重大事故の背景には、多くの「ヒヤリハット」と呼ばれる軽微な危険体験が潜んでいます。

ヒヤリハット事例は、重大事故を防ぐための貴重な情報源です。

建設現場の安全意識を高めるためには、ヒヤリハットの共有が大切です。
しかし、紙ベースでの共有では、共有範囲が限られる課題がありました。

そこで近年注目されているのが、建設業向けのアプリの活用です。

建設業向けに開発されたアプリは、現場の効率化に役立つことはもちろんですが、それ以外にも、報告書の作成や写真や動画の共有などさまざまな機能を備えています。

「PRODOUGU(プロドウグ)」は、総合型の建設業向け施工管理アプリで、次のような機能があります。

  • 報告書作成
  • 写真管理と図面管理のシームレス化
  • 図面にメモ書きができる画面メモ書き

上記の機能を使えば、ヒヤリハット事例を関係者で共有し、重大事故が起こる前に安全管理の徹底が図れるでしょう。

PRODOUGUは、建設現場の安全意識を高めるためにも有効なツールです。

事務所と現場の情報共有をスムーズに行えるシステムを探している方や、建設現場での作業効率を検討している方は、PRODOUGUの公式サイトを確認してみてください。
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