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BIM/CIMとは?概要から目的・利用制度や活用の方法を解説

2024/06/05

建築

建設業の働き方改革や業務効率化の動きで、導入を推進されているツールのひとつにBIMやCIMがあります。

BIMやCIMは、建設工事や土木工事の設計段階で利用するツールです。
BIMやCIMを使って3次元の建物のデジタルモデルに形状情報や属性情報を加えることで、建物のデータベースの作成が可能です。

従来までは2次元で作図するCADなどが利用されていましたが、2023年度には国土交通省がBIM・CIMの原則適用の取り組みを進めるなど、改革が行われています。

今回は、BIMやCIMの利用が促進されている政府の取り組みの概要や、BIMやCIMのメリット・デメリットを紹介します。

BIM・CIMの原則適用の概要や目的を解説

国土交通省の発表によると、2023年度から建設業の工事や仕様書の作成などの業務でBIM・CIMが原則適用されることになりました。
ここからは、2023年度から適用された取り組みの概要やポイントを以下の3つに分けて解説します。

それぞれ詳しく見ていきましょう。

2023年度から工事にBIM・CIMが原則適用

2023年度から、国土交通省によって工事現場におけるBIMやCIMの原則適用が実施されました。

BIMやCIMの原則適用の目的は、データ活用や共有による受発注者の生産性向上です。
主に以下の2点を軸に取り組みが進められています。

  • 活用目的に応じた3次元モデルの作成・活用
  • DS(Data-Sharing)の実施(発注者によるデータ共有)

国際的にも、BIMやCIMの普及は広がっています。

今回のBIM・CIMの原則適用は、土木分野での国際標準化の流れを踏まえて、日本でも新たに3次元データを活用した建設生産・管理システムを実現することを目指しているといえるでしょう。

BIM・CIMの適用の範囲

政府の取り組みによると、BIMやCIMの活用が求められている範囲は、義務項目と推奨項目に分かれます。
それぞれの項目を表にまとめました。

測量
地質・土質
調査
概略設計 予備設計 詳細設計 工事
3次元
モデル
の活用
義務項目 - - -
推奨項目
引用:[令和5年度BIM/CIM原則適用について

BIMやCIMの活用義務が発生するのは、工事の中でも詳細設計や施工箇所に限定されています。

将来的には建設事業のデジタル化を広げたいという政府の狙いもあるため、徐々に推奨項目や義務項目が広がり適用範囲が広がることも期待できるでしょう。

BIM・CIMの活用が求められる工事の種類

具体的にどのような工事でBIM/CIMの活用が義務付けられているのでしょうか。

ここでは、政府の提唱するBIM/CIM原則適用の対象になる工事とそうでない工事をまとめました。

対象工事
  • 土木設計業務共通仕様書に基づき実施する設計及び計画業務
  • 土木工事共通仕様書に基づく土木工事
    (河川工事、海岸工事、砂防工事、ダム工事、道路工事)
  • 上記に関連する測量業務及び地質・土質調査業務
対象外
  • 単独の機械設備工事・電気通信設備工事、維持工事
  • 災害復旧工事
引用:[令和5年度BIM/CIM原則適用について

BIMとCIMの活用箇所の違いは下記のとおりです。

  • BIM:建設工事
  • CIM:土木工事

つまり、学校や官公庁施設、公営住宅などの新築・増改築工事でBIMが適用され、道路や河川、ダムなどのインフラ工事でCIMが活用されます。

災害時を除き、建設工事の分野を問わず、一定規模の公共工事であればBIMやCIMの適用が求められていることがわかります。

BIMやCIMを建設業で活用する3つの魅力

BIMやCIMの活用を政府が進めているのは、BIMやCIMが建設業の業務効率化や発展に効果があると考えるからです。

ここではBIMやCIMを建設業で活用する3つの魅力を紹介します。

それぞれ詳しく見ていきましょう。

設計から施工までの全ての業務の修正を一括で管理できる

BIMやCIMを活用すべき理由の1つは、BIMやCIMを使えば、工事のあらゆる工程で発生する設計変更などの情報を一元管理できるからです。

たとえば、設計変更により一部の壁や柱の位置を変更した場合、CADや手作業で作成した設計図や施工図であれば、新しい図面の作成が必要です。
しかしBIMやCIMの場合は、データ上で修正すれば、関連する図面や見積もりなども自動で変更されます。

BIMやCIMを活用すれば設計から施工、維持管理まで、変更点の修正の際に大幅な作業コストが発生する必要がなくなり、業務の効率化が図れます。

3Dモデルを使った情報共有がしやすい

BIMやCIMでは3次元データモデルを活用するため、従来の2D図面よりも可視化しやすく、情報共有がスムーズになる点が魅力です。
従来の2次元データを活用して発注者と打ち合わせを進める場合、建設会社の人材が2次元図面から完成図をイメージしながら説明できたとしても、発注者側が十分に理解するのは難しいかもしれません。

しかし、BIM・CIMデータを活用すれば画面上で3Dデータを使った完成図を閲覧しながら確認ができ、相互の認識の相違を防げるでしょう。
3Dデータを用いることで、建物の姿や構造を分かりやすく伝えられるため、打ち合わせなどのコミュニケーションの効率が大幅に向上します。

書類作成や打ち合わせ業務を効率化できる

BIMやCIMのデータを活用することで、図面や見積書、施工図などの書類作成を効率化できます。
そもそもBIMやCIMとは、3次元の建物のデジタルモデルに形状情報や属性情報を加えることで作成する建物のデータベースのことです。
設計図書の変更点を設計者がBIMデータ上で修正すれば、関連する図面や数量計算書が自動で書き換えられ、それに伴って書類作成に活用するデータも更新されます。

BIMやCIMを活用するだけで、手作業によるミスをなくすだけでなく、書類作業の効率化も実現できるでしょう。

BIMやCIMを活用する中での課題

BIMやCIMの活用が推進されていますが、現状としては建設業の中でも活用を推進している会社とそうでない会社に分かれています。

なぜBIMやCIMの導入が積極的に進まないのでしょうか。
ここでは以下の課題を解説します。

それぞれ詳しく見ていきましょう。

BIMの導入効果が普及していない

BIM/CIMは生産性向上が期待される一方で、導入効果が十分に認知されていないのが現状です。

国土交通省が実施した「建築分野におけるBIMの活用・普及状況の実態調査」によると、企業のBIM導入の割合は下記のとおりです。

【全体】

建築分野におけるBIMの活用・普及状況の実態調査
引用:[建築分野におけるBIMの活用・普及状況の実態調査

【エリア別】

建築分野におけるBIMの活用・普及状況の実態調査
引用:[建築分野におけるBIMの活用・普及状況の実態調査

全体のデータを見ると約半数の企業が導入を進めておらず、特に地域別では主要都市以外のエリアでの導入率が低いことがわかります。

導入していない理由を調査すると、以下の結果が出ました。

建築分野におけるBIMの活用・普及状況の実態調査
引用:[建築分野におけるBIMの活用・普及状況の実態調査

赤枠で囲んでいるエリアの回答を見ると、「BIMの導入効果が実感できないから」「現在のツールで業務ができているから」など、BIMやCIMのメリットを理解していない回答が多く寄せられました。

確かに、現在利用しているツールを活用しても建設工事は問題なく進められます。
しかし、上記のメリットでも説明したとおりBIMやCIMを活用すれば業務効率化につながるだけでなく、コストの削減にもつながります。
BIMやCIMのメリットを普及させることで、利用率を高めることができるかもしれません。

導入費や人材の育成・採用が求められる

BIMやCIMの導入には、コストがかかります。

システムそのものの構築費や導入費はもちろん、BIMやCIMを使いこなす専任の人材の育成や採用が必要です。

大企業であれば、年間数億円のBIM導入費用や、運用のための社員研修や専門スタッフの採用に多額の費用を投じることができますが、中小企業にとってはコストが導入の壁になっていることがほとんどです。

初期投資に費用がかかる点は事実ですが、コストをかけた結果、業務効率化や売上向上などの効果が出ることを証明できれば、BIMやCIMの導入に好意的になる中小企業も増えるかもしれません。

まとめ

今回は、BIMやCIMの活用について、国土交通省で進められている工事へのBIM・CIMの原則適用の概要や現状、BIM・CIMのメリットやデメリット、おすすめのツールを紹介しました。

BIMやCIMを活用すれば、設計段階から3Dデータを使った完成図の共有ができるだけでなく、設計から施工、メンテナンスまでのすべての工程で活用できるデータを作成できます。
修正の手直しや追加の情報追加も、データを入れるだけで完了するため、修正作業のコストや時間を削減できる点が魅力です。

しかし、導入にコストがかかる点や、現状のツールで問題ないと考える声もあることから、導入を進めるためには幅広い取り組みが求められるでしょう。

BIMIやCIMのデータをより活用するには施工管理アプリの活用がおすすめです。

PRODOUGUを活用すれば、BIMやCIMのデータを直接クラウド上に取り込むことや、取り出すことが可能です。
タブレット上でデータを見ながら打ち合わせや指示出しが行えるため、資料の取り出しや作成直しの手間を省けるでしょう。

PRODOUGUでは、BIM・CIMの活用以外にも利用できる機能が複数あるため、まずはPRODOUGU公式サイトから詳細を確認してみてください。

BIM・CIMを活用して業務効率化やコスト削減につなげたいと考えている人は、ぜひPRODOUGUの導入をご検討ください。
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