建設情報共有システムとは?役割やメリット、効果的な活用法を徹底解説
2024/01/17
建設業界では、多くの人や組織が関わるため、情報の共有が非常に重要です。
しかし、従来の方法では、紙やメールで情報をやりとりすることが多く、効率や品質に問題がありました。
そこで、建設情報共有システム(ASP)という仕組みが注目されています。
建設情報共有システムとは、インターネットを通じて、建設現場や事務所などの関係者が情報を共有できるシステムのことです。
建設情報共有システムを導入することで、情報の正確性やスピード、セキュリティなどが向上し、コストや工期の削減、品質の向上などのメリットが得られます。 しかし、これから導入をお考えの方には、具体的な活用法やメリットがわからないという方も多いのではないでしょうか。
そこで今回は、建設情報共有システムの役割やメリット、効果的な活用法を解説しますので、ぜひ参考にしてください。
建設情報共有システム(ASP)とは?
建設情報共有システム(ASP)とは、インターネットを通じて、建設現場や事務所などの関係者が情報を共有できるシステムのことです。
例えば、公共工事における受発注者間のやり取りや工事書類の作成をWEB上で行うことで、情報の正確性やスピード、セキュリティなどが向上し、コストや工期の削減、品質の向上などのメリットがあります。
情報共有システム RevSIGNの帳票に対応済みの自治体の事例(※2023年11月時点)
株式会社建設システムの情報共有システム RevSIGNは、国土交通省や各県などの発注者が導入を推進しており、実際に多種多様な工種や工事で採用されています。
対応発注機関一覧 | 詳細 |
---|---|
国 |
北海道開発局 農林水産省 林野庁 防衛省 独立行政法人水資源機構 |
都道府県 |
青森県 岩手県 宮城県 秋田県 山形県 福島県 など |
政令指定都市 |
札幌市 仙台市 千葉市 川崎市 横浜市 相模原市 など |
市町村 |
岩手県滝沢市 宮城県石巻市 山形県米沢市 福島県いわき市 茨城県古河市 栃木県那須塩原市 など |
その他 |
首都高速道路株式会社 西日本旅客鉄道株式会社 |
建設情報共有システム(ASP)の役割
建設業界では、多くの人や組織が関わるため、情報の共有が非常に重要です。
しかし、従来の方法では、紙やメールで情報をやりとりすることが多く、効率や品質に問題がありました。
そこで、情報共有システムを導入することで、情報の正確性やスピード、セキュリティなどが向上し、コストや工期の削減、品質の向上などのメリットに期待ができます。
情報共有システムの活用により期待される受発注者の業務の効率化として「工事帳票の処理の迅速化」「工事帳票の整理作業の軽減」「検査準備作業の軽減」「情報共有の迅速化」及び「日程調整の効率化」があります。
これにより受発注者間のコミュニケーションが円滑化することはもちろん、生産性向上 を図ることが可能です。
建設情報共有システム(ASP)の重要性
建設情報共有システム(ASP)の重要性については、次のようなものが挙げられます。
情報の正確性やスピードの向上
建設情報共有システム(ASP)では、工事書類や写真、図面などの情報をWEB上で作成・確認・決裁することが可能です。
これにより、紙やメールでのやり取りに比べて、情報の正確性やスピードが向上します。
例えば、工事書類の作成にかかる時間は、紙での場合は約2.5時間、ASPでの場合は約0.5時間となり、80%の時間短縮が可能です。
また、工事書類の確認・決裁にかかる時間も、紙での場合は約10日、ASPでの場合は約1日となり、おおよそ90%の時間短縮が可能です。
セキュリティの確保
建設情報共有システム(ASP)では、情報のアクセス権や履歴管理などのセキュリティ対策が行われています。
これにより、情報の漏洩や改ざんなどのリスクを低減することが可能です。
例えば、ASPでは、情報の閲覧や編集などの操作は、ログインしたユーザーのIDやIPアドレスなどが記録され、いつ誰が何をしたかが追跡できます。 また、ASPでは、情報の暗号化やバックアップなどの技術的な対策も行われており、情報の安全性が高められています。
コストや工期の削減
建設情報共有システム(ASP)では、情報の作成や共有にかかるコストや工期を削減可能です。
これにより、工事の収益性や競争力が向上します。
例えば、ASPでは、紙や郵送などの経費を削減できます。
紙での場合は、工事書類の作成にかかる経費は約1,000円、ASPでの場合は約100円となり、約90%のコスト削減が可能です。また、ASPでは、工事書類の確認・決裁の遅延による工期の延長を防ぐこともできます。
紙での場合は、工事書類の確認・決裁にかかる工期は約10日、ASPでの場合は約1日となり、こちらも約90%の工期短縮が可能です。
品質の向上
建設情報共有システム(ASP)では、情報の品質を向上することが可能です。 これにより、工事の品質や信頼性が向上します。
例えば、ASPでは、工事書類の作成において、入力ミスや漏れなどのヒューマンエラーを防ぐことができます。紙の場合は、工事書類の作成におけるヒューマンエラーの発生率は約10%、ASPでの場合は約1%となり、おおよそ90%のエラー削減が可能です。
また、ASPでは、工事書類の確認・決裁において、不備や不一致などの問題を早期に発見・解決することができます。紙の場合は、工事書類の確認・決裁における問題の発生率は約20%、ASPでの場合は約5%となり、おおよそで75%もの問題削減が可能です。
建設情報共有システム(ASP)の
導入メリット
建設情報共有システム(ASP)の導入メリットには、次のようなものがあります。
業務効率が向上する
建設情報共有システム(ASP)の導入により、WEB上で工事書類の作成・確認・決裁が行えるため、移動時間や印刷物の削減につながります。
また、ワンデーレスポンス機能で書類の訂正依頼や回答をメールで送受信できるため、書類の処理の迅速化や調整の効率化にもつながるでしょう。
現場の見える化が可能
建設情報共有システム(ASP)の導入により、BIM/CIMを活用した3DモデルをWEB上で共有・閲覧できるため、設計や施工の一元化や合意形成に役立ちます。
また、ワークフロー機能で書類の申請状況や決裁履歴を確認できるため、工事の進捗管理や品質管理にも役立つのがメリットです。
環境負荷の低減が可能
建設情報共有システム(ASP)の導入により、WEB上での書類のやり取りや電子納品が可能となり、紙の使用量や輸送コストを削減できます。
また、BIM/CIMの活用により、工事の計画や設計の最適化を行うことで、資材の無駄や廃棄物の発生を抑制できるメリットがあります。
競争力を強化できる
情報共有システム(ASP)の活用により、工事の生産性や品質を向上させることができるため、受注者の信頼性や評価を高めることが可能です。
また、ICTの活用により、新たなサービスや付加価値の提供を行うことで、受注者の差別化や競争力の強化を図ることができるでしょう。
建設情報共有システム(ASP)の
効果的な活用方法
建設情報共有システム(ASP)の活用方法としては、以下のようなものが挙げられます。
工事書類の作成・確認・決裁
建設情報共有システム(ASP)を活用することで、WEB上で工事打合せ簿や材料確認書などの書類を簡単に作成し、ワークフロー機能で書類の発議・回覧・決裁を行うことができます。
これは、移動時間や印刷物の削減につながります。
ワークフローの管理
建設情報共有システム(ASP)を活用することで、書類の申請状況や決裁履歴を確認できるほか、ワンデーレスポンス機能で書類の訂正依頼や回答をメールで送受信できます。
これは、書類の処理の迅速化や調整の効率化につながります。
ワンデーレスポンスの実現
建設情報共有システム(ASP)を活用することで、ワンデーレスポンスの実現を実現可能です。ワンデーレスポンスとは、書類の訂正依頼や回答を1日以内に行うことを目指す取り組みです。 情報共有システム(ASP)では、メールでの通知やWEB上での確認ができるため、ワンデーレスポンスの実現に役立ちます。
3Dビューの利用
建設情報共有システム(ASP)を活用することで、BIM/CIM(Building and Construction Information Modeling/Management)を活用した3DモデルをWEB上で共有・閲覧できます。
これは、設計や施工の一元化や合意形成に役立ちます。
電子納品の支援
建設情報共有システム(ASP)を活用することで、ASPシステムで決裁された書類を電子納品形式でダウンロードできます。また、ASPをシステムごとパソコンにダウンロードすることも可能です。
これは、工事帳票の整理作業の軽減につながります。
建設情報共有システム(ASP)は
株式会社建設システム(KENTEM)におまかせ
株式会社建設システムのASPサービスには、以下のような種類があります。
工事情報共有システムは、公共工事における受発注者間のやり取りや工事書類の作成をWEB上で行うシステムです。
このシステムは、ワークフロー機能やワンデーレスポンス機能、3Dビュー機能などを備えています。
情報共有システム RevSIGNは、工事情報共有システムのリニューアル版で、国土交通省の機能要件Rev.5.5に完全準拠しています。
このシステムの特徴は、BIM/CIMの活用や電子納品の支援、工事写真の管理などができるところです。
電子納品支援システムは、工事情報共有システムで作成した書類を電子納品形式でダウンロードできるシステムで、デキスパートと連携して、電子納品の効率化を図ります。
電子納品支援システム[営繕版]は、建築工事や設備工事に特化した電子納品支援システムで、工事台帳や工事写真の管理、見積作成などが可能です。
このように、株式会社建設システム(KENTEM)では、さまざまなシーンごとに役立つツールを取り揃えています。
また貴社にどのツールが必要か分からない場合には、お気軽に建設システムにご相談ください。お問い合わせフォームはこちらからどうぞ。