ハザードマップと防災マップの違いとは?使い方や種類について徹底解説
2023/07/18
2023/11/10
「ハザードマップと防災マップは何が違うの」
「ハザードマップや防災マップの使い方が知りたい」
上記のような悩みを抱えている経営者の方も多いのではないでしょうか?
ハザードマップと災害マップは、どちらも万一の災害に備える防災対策用の地図のこと。
台風や地震など自然災害が多い日本では、個人宅はもちろん、企業でも使う場面が多くあるでしょう。
とはいえ、ハザードマップと災害マップのどちらを使えば良いか迷う方も居られるのではないでしょうか。
そこで本記事では、ハザードマップと災害マップの違いやそれぞれの使い方を解説します。
防災対策を積極的に行いたい企業経営者の方は、ぜひ最後までご一読ください。
ハザードマップと防災マップの違い
結論から申し上げますと、ハザードマップと防災マップの違いは、その目的にあります。
ハザードマップは、地理的な特徴や自然災害の発生リスクを示す地図です。
ハザードマップでは、洪水や地震、土砂災害などのリスクが高い地域を識別できます。
一方、防災マップは、災害発生時の避難経路や避難所、消防署などの避難関連情報を提供しています。
防災マップは、ハザードマップの情報に基づいて作成されており、より具体的な避難情報を提供するのが目的です。
ここからは、ハザードマップと防災マップのそれぞれの特徴を詳しく解説します。
ハザードマップとは
ハザードマップは、地形や地盤の特徴、過去の災害履歴から、次なる自然災害の発生リスクを示す地図です。
地震や洪水、土砂災害などの危険性を評価し、リスクの高い地域を可視化します。
ハザードマップの活用により、河川の氾濫や堤防の決壊などで引き起こされる被害を最小限に抑えられるでしょう。
またこのような特徴から、ハザードマップの情報は、都市計画や建築基準の策定、避難計画の立案などにも活用されています。
ハザードマップを参考にして災害時の避難場所や避難経路を確認することで、地域で暮らす住民や働く人々が、より効果的な災害対策を講じることが可能です。
このようにハザードマップは、地域の防災意識を高め、災害に対する準備と備えを促す重要なツールとなっています。
なお、ハザードマップという名称は広義で使用されることもあり、次に紹介する防災マップを含めるケース※もあります。
※参考:国土交通省 国土地理院のWebページより
防災マップとは
防災マップとは、自然災害発生時の行動計画を示した地図で、災害発生時に利用すべき避難経路や避難所、防災施設などの情報を提供しています。
防災マップはハザードマップの情報を基にして作成されており、避難経路の表示や避難所の位置、避難所までの所要時間などが記載されています。また、火災報知器や消火設備の位置、救命用具の設置場所なども示されているため、日頃から確認しておくと良いでしょう。
このように、防災マップは災害時に迅速な避難行動を促し、人々の生命と財産を守るための具体的な行動指針を提供しています。
これにより、適切な避難行動を取ることができ、災害時の被害を最小限に抑えることができるでしょう。
ハザードマップの使い方
本項では、ハザードマップの効果的な使い方として、国土交通省の「重ねるハザードマップ」と「わがまちハザードマップ」の確認方法を解説します。
重ねるハザードマップは、災害のリスクや防災対策の情報などを全国どこでも重ねて閲覧できるWeb地図サイトです。
使い方は、以下の流れになります。
- 居住エリアを選ぶ
- 災害の種類を選ぶ
- 災害リスクを検索する
まずは、身のまわりの災害リスクを調べるために居住エリアを選択し、災害種別から調べたいものを選びましょう。
さらに、リスク検索をクリックすると、ご自身がお住まいの地域にどのような自然災害リスクがあるのかを確認できます。
一方、「わがまちハザードマップ」は全国の地方公共団体のハザードマップを閲覧できるリンク集で、以下のように使います。
- 地図で選ぶ
- 災害の種類を選ぶ
使い方は、「重ねるハザードマップ」と同じように、居住エリアや災害の種類からハザードマップの情報を検索可能です。
防災マップの使い方
防災マップの使い方は、以下の通りです。
- 自宅の位置を確認する
- 近くの避難所や避難場所を確認する
- 避難経路を設定する
- 実際に避難経路を歩いてみる
一般的に防災マップは災害リスクが色分けされているため、居住エリアがどの色で塗られているかを比較的容易に確認できます。
そして、居住エリアの災害リスクを踏まえた上で、避難場所や避難経路を確認しておくことが重要です。
万一災害が起きた時に落ち着いて行動できるよう、設定した避難経路を実際に歩いてみるのもおすすめです。
ハザードマップの種類
最後に、ハザードマップの種類について紹介します。
自然災害の発生リスクを示すハザードマップには、主に以下7つの種類があります。
それぞれ異なる特徴があるため、ぜひ以下の内容を確認しておきましょう。
洪水ハザードマップ
洪水ハザードマップは、地域の洪水リスクをわかりやすく表した地図です。
以下の条件を満たすものをハザードマップと呼びます。
- 浸水想定区域が記載されている
- 避難情報が記載されている
- 市町村長(特別区を含む。以下同じ。)が作成主体となっている
浸水想定区域とは、水防法の規定により国又は都道府県が指定し各市町村に通知した、河川などの氾濫時に浸水が想定されるエリアです。
また、洪水ハザードマップには洪水の深さや流速など、リスクの程度を示す指標も含まれます。
これにより、地域の住民や関係者が、洪水リスクに対する適切な対策を講じることができるでしょう。
地震ハザードマップ
地震ハザードマップは、地震が起きた時の揺れの強さや、揺れによって起こる建物倒壊や液状化のリスクを地図上に表したものです。
地震が起こった時にどんな危険性があるのかを公表、周知することで、以下のことに期待できます。
- 建築物の耐震不燃化
- 避難地や避難路、防災拠点の整備
これにより、地域の住民や関係者は、地震リスクへの対策や防災計画を立てることが可能です。
地震ハザードマップは、建築基準の策定や都市計画、避難経路の確保など、地震対策の基礎情報としても活用されています。
津波ハザードマップ
津波ハザードマップとは、地震発生時に想定される、津波被害の範囲や浸水被害の深度、施設の危険度などを示す地図です。
地震が起こった際に取るべき行動や避難経路、避難場所などが明記されています。また、津波の到達時間や浸水深度など、リスクの程度を示す指標も確認できます。
これにより、地域の住民や関係者は、津波リスクに対する適切な避難計画や防災施設の整備を行うことが可能です。
火山ハザードマップ
火山ハザードマップとは、将来的に噴火する可能性がある火山や、火山活動が活発化してきた際に備えて火山灰が降り注ぐ範囲の予想を示した地図です。
日本にある複数の火山には噴火のパターンがあり、そのパターンを調べることで、将来起こるかもしれない噴火をある程度予測できます。
また、噴火が起こった際の、避難場所や避難すべき地域が示されているため落ち着いて行動できるでしょう。
土砂災害ハザードマップ
土砂災害ハザードマップは、都道府県による土砂災害特別警戒区域の指定を受けて、区市町村が作成する地図です。
地形や地質情報、降雨パターンなどを考慮し、土砂災害が発生する可能性がある場所を特定します。土砂災害には、地すべりや斜面崩壊、土石流などがあります。
土砂災害ハザードマップには、災害の発生確率や危険度、土砂の移動範囲などの情報が含まれているため、地域の住民や関係者が土砂災害に対する適切な対策や避難計画を立てることができるでしょう。
高潮ハザードマップ
高潮ハザードマップは、高潮発生時の浸水状況を予測しつつ、避難をするために必要な情報を提供する地図です。
海岸線の地形や潮汐、気象条件を考慮し、高潮が発生した場合の浸水範囲や到達高さを予測します。
また、津波と異なり、高潮は主に気象条件によって引き起こされるため、風や気圧のデータも考慮されます。
高潮ハザードマップによって高潮の発生頻度や影響を受けやすいエリアを把握できるため、地域の住民や関係者が、適切な避難計画や防潮施設の整備、海岸地域の土地利用制限などの対策を講じることができるでしょう。
内水ハザードマップ
内水ハザードマップは、大雨の際に下水道管や水路などからの浸水が想定される区域や浸水する深さなどの情報をまとめた地図です。
常日頃から防災意識を持ってもらい、万一の災害時にスムーズな避難を促すのが目的です。
内水ハザードマップでは、内水による浸水情報と避難方法などにかかわる情報を住民にわかりやすく示しているため、防災対策や避難行動を安心してできるようになるでしょう。
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ハザードマップと防災マップの違いのまとめ
本記事では、ハザードマップと防災マップの違いについて解説しました。
ハザードマップも防災マップも、災害地域における避難場所や経路を明確にしつつ、普段から防災意識を高めてもらうのが目的です。
企業においても防災対策を積極的に行い、従業員の安心・安全を守れるように指導しておきましょう。
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